アニメーション化可能なオブジェクト プロパティ

オブジェクトには、アニメーションを通じて変更できるプロパティがあります。たとえば、オブジェクトは、レイヤ、シーン(ArcScene)、またはビューアのカメラ(ArcScene および ArcGlobe)のいずれかであり、変更可能なプロパティには、レイヤの表示設定、シーンの背景、またはカメラの方向が含まれます。サポートされているオブジェクトのどのプロパティをアニメーションに使用できるかを理解しておくと、アニメーションの作成に役立ちます。次のセクションでは、トラックの種類別に、アニメーションに使用できるオブジェクトのプロパティを説明します。

レイヤ プロパティ

レイヤ トラックのレイヤでは、さまざまなプロパティをアニメーションに使用することができます。

ArcMap および ArcGlobe のレイヤ プロパティ

プロパティ

説明

表示設定

トラック内のオブジェクト(レイヤ)の表示設定を指定します。たとえば、特定のキーフレームでトラックのレイヤを非表示に設定し、ディスプレイに他のレイヤを表示できます。

透過表示

トラック内のオブジェクト(レイヤ)の透過表示を指定します。たとえば、特定のキーフレームでトラックのレイヤを特定の透過表示に設定し、ディスプレイで他のレイヤが透けて見えるようにできます。

ArcMap および ArcGlobe で作成されたレイヤ トラック内のキーフレームごとに設定できる、利用可能なレイヤ プロパティ。
ArcScene のレイヤ プロパティ

プロパティ

説明

表示設定

トラック内のオブジェクト(レイヤ)の表示設定を指定します。たとえば、特定のキーフレームでトラックのレイヤを非表示に設定し、ディスプレイに他のレイヤを表示できます。

透過表示

トラック内のオブジェクト(レイヤ)の透過表示を指定します。たとえば、特定のキーフレームでトラックのレイヤを特定の透過表示に設定し、ディスプレイで他のレイヤが透けて見えるようにできます。

移動

トラックに含まれたオブジェクトを X、Y、Z 方向に移動する距離を設定します。オブジェクトは回転せずに新しい位置にスライドします。

縮尺

トラック内のオブジェクトを拡大または縮小するための X、Y、Z 縮尺係数を設定します。

回転

トラック内のオブジェクトの固定ポイント(原点)を中心とした X、Y、Z 回転角度を設定します。X 軸を中心とする回転は、ロール角、またはヨー角です。Y 軸を中心とする回転は、鉛直角、またはピッチ角です。Z 軸を中心とする回転は、水平角、またはヘッド角です。

センター オフセット

トラック内のオブジェクトのセンター オフセットの値を設定します。デフォルトのセンター オフセット(0.0, 0.0, 0.0)では、縮尺および回転操作はレイヤのバウンディング ボックスの中心を固定ポイントとして実行されます。このオフセットの値を変更し、別の位置を基準としてレイヤの縮尺または回転を実行できます。

ArcScene で作成されたレイヤ トラック内のキーフレームごとに設定できる、利用可能なレイヤ プロパティ。

レイヤ プロパティのアニメーションの詳細

カメラおよびマップ ビューのプロパティ

ArcScene および ArcGlobe のカメラ トラック内のカメラ、および ArcMap のマップ ビュー トラック内のビューには、アニメーションに使用できるプロパティが多数あります。

ArcMap のマップ ビュー プロパティ

プロパティ

説明

表示範囲

表示可能サーフェスの X、Y 方向の最小 X、最小 Y、最大 X、最大 Y 表示範囲を設定します。

ArcMap で作成されたマップ ビュー トラック内のキーフレームごとに設定できる、利用可能なカメラ プロパティ。
ArcScene のカメラ プロパティ

プロパティ

説明

投影タイプ

  • 三次元表示 - ビューアの投影法を三次元表示に設定します。これにより、傾斜角からの表示が可能になり、遠くのオブジェクトを近くのオブジェクトよりも小さく表示できるため、シーンが三次元に見えます。ディスプレイの縮尺はさまざまなので、この投影法ではビューアの縮尺は設定されません。
  • 二次元表示 - 三次元投影を二次元に設定し、カメラ(観測点)が真下を向くように設定します。これにより、シーンはマップのような二次元に見えます。

目標点

目標点の X、Y、Z 座標を設定します。

方位角

カメラから目標点までのコンパス角または水平角を設定します。

鉛直角

目標点を基準にしたカメラの鉛直(ピッチ)角を度数で設定します。正の角度を指定すると、観測点は目標点の上に位置し、目標点を見下ろします。負の値を指定すると、観測点は目標点を見上げる形になります。0.0 の値は、目標点と同じ高さに観測点を配置します。

ロール角

カメラと目標点の間の見通し線に関するビューのロール角を度数で設定します。負の値または正の値を指定すると、ビューが傾きます。0.0 の値を指定すると、ビューが水平に表示されます。

高度

カメラと目標点間の 3D 距離をシーン単位で設定します。

視野角

カメラの視野角を度数で設定します。角度を小さくすると拡大効果があり、角度を大きくするとより広い範囲を表示できます。角度が増えるに従い、魚眼(広角)レンズを通して見たような表示になるまで歪みが増します。

二次元範囲

表示可能サーフェスの X および Y 方向の最小および最大二次元範囲を設定します。ArcScene では、二次元範囲キーフレーム プロパティは、カメラ トラックを作成する前に [ビューの設定] ダイアログ ボックス(メイン メニューの [表示] オプションからアクセスします)でビューの投影法が二次元に設定されている場合にのみ、自動的に表示されます。あるいは、特定のキーフレームを [二次元表示] に設定し(投影タイプ プロパティを参照)、二次元範囲プロパティを手動で設定することもできます。

ArcScene で作成されたカメラ トラック内のキーフレームごとに設定できる、利用可能なカメラ プロパティ。
ArcGlobe のカメラ プロパティ

プロパティ

説明

方向基準

  • サーフェス - グローブ サーフェス上に目標点を設定します。これにより、ナビゲーションに引力の効果を与えます。このプロパティを使用して、グローブの近くにナビゲートします。
  • グローブ - 目標点をグローブの中心に設定します。このプロパティを使用して、グローバルなナビゲートを実行します。

目標点の緯度

目標点の緯度を度数で設定します。

目標点の経度

目標点の経度を度数で設定します。

目標点の高度

目標点の高度をグローブ単位で設定します。

観測点の緯度

観測点の緯度を度数で設定します。

観測点の経度

観測点の経度を度数で設定します。

観測点の高度

観測点の高度をグローブ単位で設定します。

視野角

カメラの視野角を度数で設定します。角度を小さくすると拡大効果があり、角度を大きくするとより広い範囲を表示できます。角度が増えるに従い、魚眼(広角)レンズを通して見たような表示になるまで歪みが増します。

ロール角オフセット

カメラと目標点の間の見通し線に関するビューのロール角を度数で設定します。負の値または正の値を指定すると、ビューが傾きます。0.0 の値を指定すると、ビューが水平に表示されます。

ArcGlobe で作成されたグローブ カメラ トラック内のキーフレームごとに設定できる、利用可能なカメラ プロパティ。

ビュー アニメーションの詳細

シーン プロパティ

ArcScene のシーン トラックに含まれているシーンでは、多くのプロパティをアニメーションに使用することができます。

ArcScene のシーン プロパティ

プロパティ

説明

高さ強調

各キーフレームのサーフェスでの微妙な変化を強調するために使用できる、高さ強調を設定します。この操作は、サーフェス内の縦方向(Z 値)の変化よりも横方向(X、Y 値)の変化の方がかなり大きい地形を視覚化するときに役立ちます。高さ強調をわずかにすると、縦の変化が極度なサーフェスやフィーチャをフラットにすることができます。

光源方位

各キーフレームのシーンのレンダリングに使用する光源の角方向を設定します。デフォルトは 315 度(北西)です。

光源高度

シーンのレンダリングに使用する光源高度(水平線上の光源の角度)を設定します。デフォルトは水平線上 30 度です。

コントラスト

サーフェスに適用される陰影を設定します。

背景色

シーンの背景色を設定します。デフォルトの背景色は白です。希望の表示に合わせて背景色を変更できます。さまざまな色合いの青を使用すると、背景を青空のように表示することができ、黒の背景を使用すると夜の雰囲気を出すことができます。昼から夜に移り変わるアニメーションでは、背景色を変更するシーン トラックを追加できます。

ArcScene で作成されたシーン トラック内のキーフレームごとに設定できる、利用可能なレイヤ プロパティ。

シーン プロパティのアニメーションの詳細

時間プロパティ

タイム アニメーション トラックの時系列マップ、シーン、またはグローブでは、3 つのプロパティが動画化されます。

ArcMap、ArcScene、ArcGlobe のタイム アニメーション プロパティ

プロパティ

説明

時間

各キーフレームの開始時間を設定します。タイム アニメーション トラックには少なくとも 2 つのキーフレーム(開始キーフレームと終了キーフレーム)が必要です。開始時間と終了時間は、時系列マップ、シーン、またはグローブの時間範囲内の時間に設定できます。

間隔

各キーフレーム間のタイム スタンプを表示するために使用する間隔を設定します。

単位

間隔の単位を設定します。たとえば、間隔を 1 に設定し、単位を [時間] に設定すると、アニメーションの再生時にタイム スタンプが 1 時間におよぶデータがまとめて表示されます。

ArcMap、ArcScene、ArcGlobe のタイム アニメーション プロパティ

注意注意:

ArcGIS 9.x で作成されたタイム レイヤ アニメーションのトラックはサポートされていません。タイム レイヤ アニメーション トラックを含む ArcGIS 9.x ドキュメントを開くと、それらのトラックは自動的に新しいタイム アニメーション トラックに変換されます。新しいタイム アニメーション トラックでは、ビュー(マップ、シーン、またはグローブ)の時間をコントロールできます。

タイム アニメーションの作成の詳細

9/14/2013