既存の PostgreSQL データベースでのジオデータベース機能の有効化
このトピックは、ArcGIS for Desktop Standard および ArcGIS for Desktop Advanced にのみ該当します。
ArcGIS for Desktop（Standard または Advanced）から、PostgreSQL データベース クラスタでスーパーユーザ権限を持つ sde という名前のユーザとして、既存の PostgreSQL データベースに接続し、データベース内にジオデータベースを作成することができます。
トポロジ、ネットワーク、バージョン対応編集、アーカイブ、レプリケーションなどのジオデータベース機能を使用する場合、既存の PostgreSQL データベースにジオデータベースを作成します。既存のデータベースにジオデータベースを作成することで、データベースをカスタマイズできます。たとえば、postgres 以外のテンプレートを持つデータベースを作成したい場合は、データベースを作成した後に、その中にジオデータベースを作成します。
既存のデータベース内にジオデータベースを作成するのに、[エンタープライズ ジオデータベースの作成（Create Enterprise Geodatabase）] ツールを使用できます。このとき、sde ユーザも作成されます。データベース クラスタの中に sde ユーザがすでに存在する場合、sde スキーマを既存のデータベースに追加して、[エンタープライズ ジオデータベースの有効化（Enable Enterprise Geodatabase）] ジオプロセシング ツールを使用して、データベースのジオデータベース機能を有効化できます。
カタログ ツリーのデータベース接続から [エンタープライズ ジオデータベースの有効化（Enable Enterprise Geodatabase）] ツールを使用して、既存の PostgreSQL データベースでジオデータベース機能を有効化する手順は次のとおりです。
- 既存の sde ユーザにスーパーユーザ権限が付与されていることを確認します。
- データベースに sde という名前のスキーマを作成し、sde ユーザがそのスキーマを所有していること、およびそのスキーマに対するすべての権限を保有していることを確認します。
- ジオデータベースにアクセスする必要のある他のすべてのユーザに sde スキーマの USAGE 権限を付与します。
- st_geometry ライブラリを PostgreSQL インストール ディレクトリにコピーします。
st_geometry ライブラリ は ArcGIS クライアント インストール ディレクトリの DatabaseSupport ディレクトリにあります。ファイルをクライアントから PostgreSQL サーバ上の PostgreSQL の lib ディレクトリに移動します。PostgreSQL が Linux にインストールされている場合は、Linux サーバに root ユーザとしてログインし、st_geometry.so ファイルを /usr/lib64/pgsql ディレクトリに配置します。PostgreSQL が Windows にインストールされている場合は、st_geometry.dll ファイルを %PostgreSQL%\lib ディレクトリに配置します。
- ArcMap または ArcCatalog を起動します。
- カタログ ツリーから PostgreSQL データベースへのデータベース接続を作成します。sde ユーザとして接続します。
[データベース コネクション] ダイアログ ボックスで、必ずユーザのパスワードを保存してください。
- データベース接続を右クリックして、[ジオデータベースの有効化] をクリックします。
[エンタープライズ ジオデータベースの有効化（Enable Enterprise Geodatabase）] ツールが開きます。
- PostgreSQL データベースのデータベース接続ファイルを [入力データベース] テキスト ボックスに追加します。
- ArcGIS for Server を認証したときに作成された ArcGIS for Server の認証ファイルを選択し、それを [認証ファイル] テキスト ボックスに追加します。
ウィザードを使用して ArcGIS for Server を認証する際に、ソフトウェアがインストールされているサーバに keycodes ファイルが書き込まれます。Linux 環境で ArcGIS for Server を認証した場合、このファイルは /arcgis/server/framework/runtime/.wine/drive_c/Program Files/ESRI/License<release>/sysgen に作成されています。Windows サーバで認証した場合、このファイルは Program Files\ESRI\License<release>\sysgen に作成されています。まだ行っていない場合には、ArcGIS for Server を認証して、このファイルを作成します。
- [OK] をクリックしてツールを実行します。
データベース内にジオデータベースが作成されます。
ジオデータベース作成のログ ファイル（GDBCreateGeodatabase<#>.log）が、ツールを実行したコンピュータ上の %TEMP% 変数で指定された、ディレクトリに書き込まれます。ツールの実行時に問題が発生した場合は、このログ ファイルを確認して問題を解決します。