ジオプロセシングの基本用語

ツール

ツールは、小さくてきわめて重要な処理を GIS データに実行します。以下の表に示すように、ツールには 4 つのタイプがあります。タイプにかかわらず、すべてのツールは同様に動作します。ツールのダイアログ ボックスを開き、ModelBuilder でツールを使用し、ソフトウェア プログラムからツールを呼び出すことができます。

ツール タイプ

説明

標準ツール

組み込みツール。これらのツールは、ArcObjects と .NET などのコンパイルされたプログラミング言語を使って構築されます。

モデル

モデル ツールこれらのツールは ModelBuilder を使って作成されます。

スクリプト

スクリプト ツール。これらのツールは [スクリプト ツール ウィザード] を使って作成され、Python ファイル(*.py)、AML ファイル(*.aml)、または実行可能ファイル(*.exe または *.bat)などのスクリプト ファイルをディスク上で実行します。

特殊ツール

特殊ツール。これらのツールは、まれにシステム開発者によって構築され、ツールの使用には一意のユーザ インタフェースを使います。ArcGIS Data Interoperability エクステンションには特殊ツールが含まれています。

ツール タイプの他に、ツールには次の 2 つのカテゴリがあります。

ツールのカテゴリ

説明

システム ツール

システム ツールは、Esri によって構築され、提供されるツールです。ツールは ArcGIS またはそのエクステンション製品によってインストールされます。大半のシステム ツールは組み込みツールですが、スクリプト ツールまたはモデル ツールであるシステム ツールもあります。たとえば、空間統計ツールはすべてスクリプト ツールですが、Esri によって構築および提供されているため、システム ツールと考えられます。

カスタム ツール

カスタム ツールはユーザが構築するツールです。多くはスクリプト ツールまたはモデル ツールですが、組み込みツールである場合もあります。カスタム ツールの数は無限です。

すべてのツールが同じように動作するため(つまり、ダイアログ ボックスを開いて、それらを ModelBuilder および Python ウィンドウ内で使用することができます)、そのツールがシステム ツールなのか、あるいはカスタム ツールなのかを見分ける必要はほとんどありません。ツールがシステム ツールとカスタム ツールのいずれなのかを即時に確認する方法はありません。ただし、次にヒントをいくつか紹介します。

ジオプロセシング ツールを使用するうちに、どのツールがシステム ツールか、またはカスタム ツールかを見分ける感覚がすばやく身につきます。

ツールボックス

ツールはツールボックス内にあります。ツールボックスには、ツールとツールセットが含まれます。ツールセットは、システム上のフォルダと同様に、単純な組織のフォルダです。ツールは、ツールボックスにしか格納することはできません。ツールと同様に、ツールボックスには、システムとカスタムという 2 つのカテゴリがあります。

ツールボックス カテゴリ

説明

システム ツールボックス

ArcGIS によってインストールされたツールボックスがあります。それらは ArcGIS インストール ディレクトリに存在し、次のように、ツールボックス ノードの[カタログ] ウィンドウ、または[検索] ウィンドウで確認することができます。

カスタム ツールボックス

カスタム ツールはユーザが作成するツールです。それらはすべてのフォルダまたはジオデータベース内に配置することができます。ツールボックスの親フォルダ、またはジオデータベースにナビゲートすることによって、それらを [カタログ] ウィンドウに表示することができます。次に示したように、それらを[検索] ウィンドウにも表示することができます。

システム ツールボックスとカスタム ツールボックスを検索ウィンドウに表示

ツール ダイアログ

すべてのツールにはダイアログがあります。ツールを実行する最も一般的な方法はそのダイアログを使用することです。

[結果] ウィンドウ

ツールが実行した時、すべての入力および出力パラメータと実行メッセージのような、ツールの実行に関する情報を含む出力結果を作成します。ツールの結果を [結果] ウィンドウに表示することができます。

結果ウィンドウの詳細

環境

環境設定は、ツールの実行に影響する追加のパラメータと考えることができます。ツールのダイアログには表示されない、正規のツール パラメータとは環境が異なります(ある程度の例外を含みます)。もっと正確にいえば、それらは別のダイアログを使用して一度設定した値であり、ツールの実行時に使用されます。

環境設定は、ツールの実行に大きく影響します。たとえば、[範囲] 環境を設定して、現在のマップ範囲内のフィーチャだけがツールの実行に使用されるようにすることができます。[出力データの座標系] 環境を設定して、ツールが入力フィーチャとは異なる座標系に出力フィーチャを書き込むようにすることができます。

ジオプロセシング環境の詳細

モデルと Modelbuilder

ジオプロセシング フレームワークでは、ModelBuilder を使用して 1 つのツールの出力を別のツールの入力として渡しながら、ツールをシーケンスにつなぎ合わせることで、開発者のアイデアをすばやく簡単にソフトウェアに変えることができます。コンピュータに何かの実行を命令するので、構築するモデルはソフトウェアであると考えることができます。ModelBuilder に表示されるプログラミング言語は、従来のプログラミング言語のようなテキストベースではなく、ビジュアルな言語です。

ここで最も重要なのは、モデルはツールであるということです。モデルの振舞いはシステムの他のツールとまったく同じであり、ダイアログ ボックス ウィンドウや Python ウィンドウで実行することができます。モデルはツールなので、モデルをモデルに埋め込むことが可能です。実際、ArcGIS で提供されているシステム ツールのいくつかはモデルです。

スクリプトと Python

スクリプト言語とジオプロセシング ツールを使用して、新しい便利なソフトウェアを作成することもできます。スクリプト言語を使用するプログラムはスクリプトと呼ばれます。スクリプト言語は、習得しやすく使いやすい言語です。プログラミング ロジックを基本的に理解していれば、生産性を向上させるのに十分です。Python は ArcGIS で使用するスクリプト言語です。

ジオプロセシング フレームワークでは、新しいツールを作成するために使用できる点で、スクリプトはモデルに似ています。モデルはビジュアル プログラミング言語(ModelBuilder)で作成され、スクリプトはテキストベースの言語とテキスト エディタで作成されます。

モデルと同様に、スクリプトはツールです。スクリプトはウィザードを使ってカスタム ツールボックスに追加することができ、モデルや別のスクリプトで使用できるツールの 1 つになります。システム ツールの一部はスクリプトです。

スクリプトの書き込みに関する詳細

9/14/2013