ジオイド、楕円体、回転楕円体、測地基準系とそれらの関係

ジオイドは、地球の重力場の表面として定義されます。基準海面にほぼ匹敵し、引力の方向と直角をなします。地球の質量はすべての地点で均一ではなく、また引力の方向は変化するため、ジオイドの形は不規則です。

次のリンクをクリックして、NOAA(National Oceanographic & Atmospheric Administration)が運営するWebサイトにアクセスしてください。この Web サイトには、北米のジオイドの観察イメージへのリンクがあります。http://www.ngs.noaa.gov/GEOID/

モデルを単純化するために、さまざまな回転楕円体または楕円体が考案されています。これらの用語は同じ意味で使用されています。これ以降は、回転楕円体と呼ぶことにします。

回転楕円体は、2 次元楕円体から作成された 3 次元体です。楕円体は、長軸(長径)と短軸(短径)を持つ楕円形です。楕円体を回転させて作成した形状が回転楕円体です。

赤道半径は、長軸の半分の長さを表します。極半径は、短軸の半分の長さを表します。

地球の場合、赤道半径は地球の中心から赤道までの半径であり、極半径は地球の中心から極までの半径となります。

回転楕円体は、赤道半径と極半径の長さによって区別されます。例として、以下において、長さ(メートル単位)に基づいて、Clarke 1866、GRS 1980、WGS 1984 の回転楕円体を比較してみます。

回転楕円体

半長径(m)

半短径(m)

Clarke 1866

6378206.4

6356583.8

GRS80 1980

6378137

6356752.31414

WGS84 1984

6378137

6356752.31424518

回転楕円体の比較

特定の地域のジオイドを表すには、その地域に最も適した回転楕円体を選択することができます。北米の場合、NAD83(North American Datum 1983)に基づく GRS 1980 が最適な回転楕円体です。

測地基準系は、選択された回転楕円体をベースに、局地的な標高の変化を取り入れることができます。回転楕円体は、楕円体の回転により、地球全体に完全に滑らかな表面を生み出します。これは現実を忠実に反映していないため、ローカル測地基準系により、局地的な標高の変化を組み込むことができます。

データセットの座標系に使用されている測地基準系や回転楕円体に応じて、座標値が変化する可能性があります。ワシントン州ベリンガムを例に説明します。NAD27、NAD83、WGS84 を使用して、ベリンガムの 10 進表記の度単位での座標を比較します。NAD83 とWGS84 によって表される座標がほぼ同一であるのに対し、NAD27 では大きく異なることは明らかです。これは、ベースとなる地球の形状が、使用される測地基準系と回転楕円体によって異なるためです。

測地基準系

経度

緯度

NAD 1927

-122.46690368652

48.7440490722656

NAD 1983

-122.46818353793

48.7438798543649

WGS 1984

-122.46818353793

48.7438798534299

次に示す地理座標は、3 種類の測地基準系を使用した場合の、ワシントン州ベリンガムの地理座標です。

経度は、イギリスのグリニッジを通る本子午線から、地球の中心を通り、ワシントン州ベリンガムの緯度の西までの角度です。緯度は、赤道から地球の中心を通り、ワシントン州ベリンガムの緯度までの角度です。

ベリンガムの地表面が隆起している場合、グリニッジから赤道までの 10 進表記の角度がわずかに増加します。ベリンガムの地表が沈降している場合、角度はわずかに減少します。これら 2 つの例は、測地基準系に基づいて座標がどのように変化するかを表しています。

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9/14/2013