ArcGIS 9.x と 10 におけるマップ代数演算の比較
ArcGIS 10 のマップ代数演算には、すでに使い慣れた以前のリリースの代数演算と同じ特徴があります。Spatial Analyst ツールと演算子には、強力な代数演算言語を通してアクセスできます。ただし、ArcGIS 10 では、マップ代数演算は Python とも統合されています。これにより、Spatial Analyst のすべての機能に加えて、すべてのジオプロセシング ツールと Python 機能(サードパーティの Python ユーティリティを含む)にアクセスして、簡単な現象から複雑な現象に至るまでモデル化できるようになりました。
ArcGIS 9.x では、マップ代数演算には [ラスタ演算(Raster Calculator)]、[マップ代数演算 単一出力(Single Output Map Algebra)](SOMA)ツール、または [マップ代数演算 複数出力(Multi Output Map Algebra)](MOMA)ツールからアクセスしていました。ArcGIS 10 では、マップ代数演算には [ラスタ演算(Raster Calculator)] ツール、Python ウィンドウ、または Python の統合開発環境(IDE)からアクセスします。
ArcGIS 10 では、[ラスタ演算(Raster Calculator)] ツールを使用して、簡単または複雑なマップ代数演算ステートメントを実装できます。ツールのユーザ インタフェースには、これまで [Spatial Analyst] ツールバーからアクセスしていた [ラスタ演算] の計算ボタンもあります。新しい [ラスタ演算(Raster Calculator)] ツールは、すべてのジオプロセシング ツールと同様に、前のリリースでの SOMA に似た ModelBuilder で使用できます。
ArcGIS 10 では、Python ウィンドウを使用して、9.x の [ラスタ演算] と同様に 1 つまたは複数のマップ代数演算式を実行できます。Python ウィンドウでは、[ラスタ演算] 以上の機能にアクセスできます。Python ウィンドウには、[ラスタ演算] と同じユーザ インタフェース ツールはありませんが、行のオートコンプリート、インテリジェントなドロップダウン リストなど、有効な式を作成するのに役立つその他の機能を提供します。マップ代数演算を使用したより複雑なワークフローの場合は、Python IDE を使用したスタンドアロン スクリプトを記述することをお勧めします。
[マップ代数演算 単一出力(Single Output Map Algebra)] ツールと [マップ代数演算 複数出力(Multi Output Map Algebra)] ツールは利用不可となり、Spatial Analyst ツールボックスでは使用できません。ただし、ジオプロセシング モデルやスクリプト内にある既存の SOMA および MOMA ツールはこれからもサポートされ、引き続き動作します。ArcGIS 10 を操作するときは、新しいマップ代数演算環境を使用して、多くの拡張機能を利用することをお勧めします。