データベース サーバとジオデータベースの保守の概要

データベース サーバの作成、データベース サーバ上でのジオデータベースの作成、ユーザの追加、およびデータの読み込みを終えたら、データベース サーバとそのサーバに格納されているジオデータベース上でいくつかのメンテナンス タスクを実行する必要があります。そのようなタスクのなかには、パフォーマンスの維持に必要なものもあれば、特定の状況においてのみ実行すればよいものもあります。

各タスクの区分、実行目的/用途、タスクを実行できるユーザの詳細を、次の表に示します。

メンテナンス タスク

目的

タスクを実行できるユーザ

関連項目

ジオデータベースからのユーザの切断

このタスクは、あるユーザが作成した接続が長期間(たとえば、その日の間ずっと)アイドル状態である場合に、別のユーザがジオデータベースまたはユーザがロックしている特定のデータにアクセスしなければならないときに必要となります。

ユーザをジオデータベースから切断できるのは、サーバ管理者のみです。

データベース サーバ上のジオデータベースからのユーザの切断

ジオデータベースのバックアップ作成

ジオデータベースが破損したり、削除された場合に備えて、データの複製を保持しておく必要があります。

サーバ管理者またはジオデータベースの管理者は、ジオデータベースのバックアップ ファイルを作成する権限があります。

データベース サーバにジオデータベースのバックアップを作成

ジオデータベースの復元

ジオデータベースが失われた場合や破損した場合は、バックアップ コピーからジオデータベースを復元できます。

バックアップ ファイルをデータベース サーバに復元すれば、ジオデータベースをデータベース サーバ間で移動することも、組織全体で共有することも可能になります。

ジオデータベースをデータベース サーバに復元する権限があるのはサーバ管理者だけです。

データベース サーバにジオデータベースをリストア

データベース サーバからジオデータベースをデタッチ

ジオデータベースをデータベース サーバからデタッチして、別のデータベース サーバに移動することができます。

サーバ管理者またはジオデータベース管理者はいずれも、データベース サーバからデータベース ファイルをデタッチする権限があります。

データベース サーバからジオデータベースをデタッチ

データベース サーバにジオデータベースをアタッチ

ジオデータベースをデータベース サーバ間で移動するには、ジオデータベースをあるデータベース サーバからデタッチし、新しい場所に移動して、新しいデータベース サーバにアタッチします。この移動操作は、別の部署または組織とデータを共有している場合に便利です。

ジオデータベースをデータベース サーバにアタッチする権限があるのは、サーバ管理者のみです。

データベース サーバにジオデータベースをアタッチ

ジオデータベースの圧縮

運用において、バージョン対応のデータに関連付けられている差分テーブルのレコード数が膨大になる可能性があります。差分テーブルから不要なレコードを削除するには、ジオデータベースを圧縮します。

サーバ管理者またはジオデータベース管理者はいずれも、ジオデータベースを圧縮する権限があります。

データベース サーバ上のジオデータベースの圧縮

ジオデータベース内の統計情報の更新

SQL Server Express クエリ オプティマイザは、データベース統計情報を使用して、データベースに対してクエリを実行する最も効率的な方法を決定します。オプティマイザに最新の情報を提供するには、統計情報を最新の状態に維持する必要があります。

サーバ管理者またはジオデータベース管理者はいずれも、ジオデータベースの統計情報を更新する権限があります。

データベース サーバのジオデータベース統計を更新

ジオデータベースのインデックスの再構築

データベースでの大量の編集、あるいはジオデータベースの圧縮操作の実行を終えた後は、インデックスが断片化することがあります。クエリのパフォーマンスを最適化するためにインデックス統計情報も使用されるので、インデックスを再構築して、最新の状態に維持する必要があります。

サーバ管理者またはジオデータベース管理者はいずれも、ジオデータベース内のインデックスを再構築する権限があります。

データベース サーバのジオデータベース インデックスを再構築

データベースの縮小

ジオデータベースの縮小操作が必要になることはあまり多くありません。SQL Server Express ジオデータベースは比較的小規模なため、ジオデータベースからデータを削除したときやジオデータベースにデータを追加したときにデータ ファイルがばらばらのフラグメントに断片化されても、ジオデータベースのパフォーマンスには影響が及ばないことが一般的です。ただし、ジオデータベースが 4GB のサイズ制限に近づいてきたら、ジオデータベースを縮小して一定の空き領域を確保するようにしてください。

サーバ管理者またはジオデータベース管理者はいずれも、縮小操作を実行する権限があります。

データベース サーバ上のジオデータベースの縮小

データベース サーバ接続の削除

データベース サーバ接続を削除すると、カタログ ツリーから接続ファイルが削除されます。この場合でもデータベース サーバは存在していますが、データベース サーバ接続が削除されたクライアントからデータベース サーバへのアクセスを行うことはできなくなります。場合によっては、カタログ ツリーからデータベース サーバ接続を削除した方が望ましいこともあります。それは、接続が無効になった場合、特定のクライアントがデータベース サーバに接続する理由がない場合、またはデータベース サーバ上の特定のジオデータベースだけに接続すれば済む場合です(その場合、カタログ ツリーの [Database Connections] ノード下に接続を保存します)。

カタログ ツリーからデータベース サーバ接続を削除する操作は、あらゆるユーザに許可されています。この接続削除の影響を受けるのは、データベース サーバ接続が削除されたデータベース クライアントだけです。

ArcCatalog からデータベース サーバ接続を削除

データベース サーバからジオデータベースを削除

ジオデータベースは不要になった場合(たとえば、別のジオデータベースにデータを移動するときなど)のみ削除してください。

ジオデータベースをデータベース サーバから削除する操作は、サーバ管理者に許可されています。

データベース サーバからジオデータベースを削除

SQL Server Express のアンインストール

データベース サーバが不要になった場合は、コンピュータから SQL Server Express をアンインストールします。

あるいは、あるバージョンの SQL Server Express をいったんアンインストールして新しいバージョンをインストールした後、ジオデータベースを新しいインスタンスに復元することもできます。

コンピュータからアプリケーションをアンインストールする操作は、Windows 管理者だけに許可されています。

SQL Server 2005 Express インスタンスのアンインストール

SQL Server 2008 Express インスタンスのアンインストール

SQL Server インスタンスのアップグレード

以前のバージョンの SQL Server Express をご使用の場合は、必要に応じて SQL Server をアップグレードすることによって、新しいバージョンにのみ用意されている新機能を利用できるようになります。

SQL Server Express インスタンスのアップグレードは、dbo ユーザ(サーバ管理者)だけに許可されています。

SQL Server 2005 Express から SQL Server 2008 Express へのアップグレード

データベース サーバのライセンス キーの変更

ArcGIS for Desktop または ArcGIS Engine でライセンスされたデータベース サーバを、Workgroup レベルの ArcGIS for Server でライセンスされたデータベース サーバを使用するように移行する場合、SQL Server Express がインストールされているコンピュータ上のライセンス キー、および既存の各ジオデータベースのライセンス キーを更新する必要があります。

同様に、EDN(Esri Developer Network)ライセンスを所有している場合は、該当のファイルが期限切れになったら、サーバとすべてのジオデータベースを新しいファイルで更新する必要があります。

コンピュータ上のライセンス ファイルを更新するウィザードは、Windows 管理者しか実行できません。

サーバ管理者またはジオデータベース管理者はいずれも、既存のジオデータベース内のファイルを更新する際にデータベース サーバからジオデータベースをデタッチする権限があります。ただし、ジオデータベースをアタッチする権限およびライセンス ファイルを更新する権限があるのは、サーバ管理者だけです。

データベース サーバおよびそのジオデータベース用のライセンス キーの変更
10/8/2012