ArcGIS Spatial Data Server とは
ArcGIS Spatial Data Server は、データベースまたはジオデータベースに格納されたベクタ データのジオメトリ、属性、シンボル、およびテンプレート情報をフィーチャ サービスを使用して提供できる、メモリ使用量の少ないアプリケーションです。また、フィーチャ サービスを介してデータベースのデータを編集することもできます。
データは、ブラウザまたはカスタム クライアント アプリケーションに提供できます。次の Web API のいずれかを使用して、クライアント アプリケーションを作成し、フィーチャ サービスを介して空間フィーチャをレンダリングできます。
- Silverlight
- JavaScript
- Flex
ArcGIS Spatial Data Server は、ArcGIS for Server Enterprise のすべてのエディションに付属する別個のインストールとして提供されます。ArcGIS Spatial Data Server は、IIS または Java プラットフォームのいずれかでインストールできます。IIS のインストールでは、IIS を Web サーバとして使用します。Java のインストールでは、Apache Tomcat、IBM WebSphere Application Server、Oracle WebLogic Application Server がサポートされています。
データ ソースがデータベースであり、ArcGIS for Server Standard または ArcGIS for Server Advanced のライセンスを持っている場合、公開時にフィーチャ サービスを通して編集することができます。ArcGIS for Server Basic ライセンスでは、フィーチャ サービスは、公開時には読み取り専用です。ジオデータベースに格納されているデータは、ArcGIS for Server のいずれのライセンス レベルでも、ArcGIS Spatial Data Server のフィーチャ サービスを通して編集することはできません。
ArcGIS for Server Enterprise の各エディションにおいて、ArcGIS for Spatial Data Server で利用可能な機能を以下にまとめます。
Basic | Standard | Advanced | |
---|---|---|---|
クエリ専用のフィーチャ サービスを公開する | 可 | 可 | 可 |
編集可能なフィーチャ サービスを公開する | 不可 | データをデータベースから公開している場合は利用可、データをジオデータベースから公開している場合は利用不可 | データをデータベースから公開している場合は利用可、データをジオデータベースから公開している場合は利用不可 |
Spatial Data Server は、次の 64 ビットのデータベース管理システムのデータベースおよびジオデータベースからデータを提供できます。
IIS インストール | Java インストール |
---|---|
Microsoft SQL Server | Oracle |
Windows Azure SQL Database(データベースのみ) | PostgreSQL |
IBM DB2 |
サポートされているデータベース リリースと Web アプリケーション サーバについては、ArcGIS Resource Center にある「ArcGIS Spatial Data Server のシステム要件」をご参照ください。
フィーチャ サービスとは
フィーチャ サービスを使用すると、フィーチャをインターネットまたはイントラネット経由で提供し、これらのフィーチャを表示するときに使用するシンボルを提供することができます。クライアントは、クエリを実行してフィーチャを取得したり、サーバに適用できる編集を実行したりできます。
クライアントは、ローカル ネットワーク(勤務先のネットワークなど)またはインターネット経由でサーバにアクセスできるアプリケーションです。GIS サービスにアクセスできるクライアントには、Web ブラウザ、モバイル アプリケーション、ArcGIS Explorer、ArcGIS for Desktop、ArcGIS Engine アプリケーションなどがあります。
フィーチャ サービスの公開に Spatial Data Server を使用する理由
ArcGIS Spatial Data Server を使用する主な理由は、空間データベース データの編集機能を備えていることです。その他にも、次のような場合に Spatial Data Server でデータを公開します。
- データベースから単純な空間データを表示用に提供する必要がある場合。
- カスタム編集アプリケーションを作成して、データベースから公開するデータをユーザが編集できるようにする場合。
- エンタープライズ ジオデータベースを持っている場合。そのジオデータベースからリモート ユーザに読み取り専用フィーチャを提供する場合。ArcGIS for Server のすべての機能が必要なわけではない場合。