データ タブ

高度な割り当ての設定

より正確にデータを取得するために、異なる方法が提供されています。これは、商圏が人口統計レイヤを横断する場合に重要になります。従来の選択方法では、面積のみに基づく割り当て方法を使用していました。この処理では、領域全体に均等に分布したデータを利用できない場合、精度が損なわれる可能性があります。ほとんどの場合、人口や住宅は、郵便番号、郡、地方などの地理的な境界をまたがって不規則に分布します。

Business Analyst は、以下のデータ割り当て方法を提供します。これらの設定を変更して、目的のデータ取得方法を実現できます。

BDS インデックス

Business Analyst では、カスタム データに最適化された独自の BDS インデックスを作成できます。インデックスを使用して、効率的にデータを集計し、サマリ レポートを作成できます。これらのインデックスは、カスタム データの設定時、または [高度な許容範囲設定] で [インデックスを構築] ボタンを使用して、いつでも作成できます。[インデックスを構築] ボタンがアクティブな場合、カスタム レイヤには、現在インデックスが存在していません。カスタム BDS インデックスは、標準的な BDS 地理レベル(ブロック グループ、国勢調査地区、郵便番号など)でのみ、ベースとして使用できます。各インデックスは、カスタム BSD レイヤが保存される場所にコピーされます。すべての Esri データ レベルには、デフォルトで BSD インデックスが作成されます。そのため、[インデックスを構築] ボタンはアクティブになりません。

距離の閾値の設定

Business Analyst では、データ割り当ての面積の閾値の設定は、平方マイルや平方キロメートルなどの平方面積単位で表示されます。地理的サイズ(面積)、計算方法、およびデータ階層によるデータ探索のパフォーマンス低下を明らかにするための広範な調査が行われました。それらの調査に基づいて、デフォルトの面積の閾値が、ハイブリッド、ブロックによる按分、およびカスケード重心の各方法に対して設定されています。これらの設定を、ユーザ独自の方法で変更できます。

このセクションでは、[データ] タブのオプションとデフォルトの距離の設定について説明します。ほとんどの商圏は不規則な形状をしているため、閾値は高さと幅の最大距離に基づきます。

手順:
  1. [出力データ形式] セクションでは、出力データ形式を変更できます。シェープファイル、パーソナル ジオデータベース、およびファイル ジオデータベースから選択できます。
    [データ] タブ
  2. [BDS レイヤで代替エイリアスを使用] チェックボックスをオンにして、[カスタム データ(BDS)の設定] ウィザードの [カスタム データ パラメータ] で作成した [代替変数の説明] で設定した値を表示します。

    プラス ボタンまたはマイナス ボタンをクリックして、レベルを増やすまたは減らすことができます。いずれかの計算方法をクリックして、データ計算方法を BlockApportionment(ブロックによる按分)または CentroidsInPolygon(カスケード重心)に変更します。データ レイヤをクリックして、そのデータ レイヤを変更します。たとえば、[BlockGroups] を [ZIP Codes] に変更できます。[Counties] レイヤは、データ取得で最大の境界のオプションです。

    高度な許容範囲設定

    下の図に、ハイブリッド データ割り当てのデフォルト設定の参照距離を示します。

    [高度な許容範囲設定] ダイアログ ボックスに対応する参照距離の図

    上の [高度な許容範囲設定] ダイアログ ボックスの図の距離の値は、下の図と一致しています。

    101 マイル以下 - ブロック グループ(ブロックによる按分)が、黄色い領域内に示されます。

    152 マイル - ブロック グループの重心が、赤い領域内に示されます。

    202 マイル - 国勢調査地区の重心が、紺青色の領域内に示されます。

    404 マイル - 郵便番号の重心が、水色の領域内に示されます。

    404 マイルを超える領域(上の [高度な許容範囲設定] ダイアログ ボックスの図では [大] で示される) - 郡の重心が、白い領域内に示されます。

    距離の閾値は、商圏の高さと幅の最大値を使用して計算されます。上の例とは異なり、多くの商圏は完全な円ではなく、不規則な形状をしています。下の例で、不規則な形状の商圏の最大値の計算方法を示します。

    距離の閾値を決定するために、商圏の最も外側にある各ポイントの周囲でポリゴンが描画されます。ポリゴンの幅と高さのうちの大きいほうが、距離の閾値として使用されます。下の例では、商圏の幅は 80 マイルで、高さは 55 マイルです。80 マイル(幅)は最大値で、閾値の 101 マイルよりも小さいので、ブロック ポイントは商圏から取得されます。

    距離の閾値

ブロックによる按分とカスケード重心

このセクションでは、ブロックによる按分とカスケード重心の各方法で狭い地理的領域を使用する場合について説明します。この例では、両方の方法を全く同じ領域で使用して、空間オーバーレイを用いて郵便番号境界からデータを取得します。

下の図については、以下の注記をご参照ください。

一般的な割り当て

下の例は、ブロックによる按分データ割り当て方法を示しています。この例では、郵便番号を使用します。この例では、特に狭い地理的領域でブロックによる按分のほうが正確であることを示します。

16199 人の郵便番号の人口の重み値は 75% です。これは、そのブロック ポイントに含まれる郵便番号の人口の 75% が商圏内にあるためです(つまり、12,115/16,119*100)。このシナリオは、領域が商圏によって分割された他のすべての境界に適用できます。

下の図の各ボックスは、商圏内に含まれるブロック ポイントのみを加算した人口の合計を示しています。商圏外に含まれるブロック ポイントは、この分析には含まれません。この例では、郵便番号の人口全体の 21,676 ではなく、14,042 という値が正確に表示されています。この人口の重み値は、65% です。

注意注意:

この例では郵便番号を使用していますが、任意の人口統計境界レイヤを使用できます。ブロック グループは、地理的領域が狭い場合に効果的に使用することができ、ブロックによる按分のデフォルト レイヤとして設定されます。

ブロックによる按分方法

ブロックによる按分を使用した場合の属性テーブル出力を下に示します。商圏に含まれるブロック ポイントが合計されて、総人口の値になっていることがわかります。つまり、13,547 + 10,798 + 8,585 + 14,042 + 15,881 + 1,854 + 12,115 + 1,066 = 77,888 です。

商圏内の各ブロック ポイントが合計され、[2000 年の総人口] フィールドに 2000 年の総人口(つまり、77,888 人)が表示されます。[COUNT] フィールドに、データ取得に含まれたブロック ポイントを含む区画の総数が表示されます。ブロックによる按分方法は、9 つの郵便番号のデータを返します。一方、カスケード重心方法は、3 つの郵便番号境界内のデータのみを返します。

ブロックによる按分の出力

下の例は、郵便番号を使用したカスケード重心データ割り当て方法を示しています。ここでは、カスケード重心のほうが、とくに地理的領域が狭い場合に不正確になることを示します。

商圏内の重心(15881 人を含む郵便番号境界として示すような)は、カスケード重心の方法を使用する分析に使用されます。商圏外の重心(16199 人を含む郵便番号境界として示すような)は、対応する境界が商圏内にある場合でも、分析には含められません。商圏外に広がる場合(21676 人を含む郵便番号境界として紫色で示すような)であっても、境界全体のデータは重心で表されます。

各ラベルは、各郵便番号重心の 2000 年の人口の値を示しています。郵便番号重心属性は、それらに対応する境界から生成されます。

カスケード重心

カスケード重心を使用した属性テーブル出力を下に示します。商圏に含まれる郵便番号重心が合計されて、総人口の値になっていることがわかります。つまり、12,749 + 15,881 + 21,676 = 50,306 です。

商圏内の各郵便番号重心が合計され、[2000 年の総人口] フィールドに 2000 年の総人口(50,306 人)が表示されます。[COUNT] フィールドに、データ取得に含まれた重心を含む区画の総数が表示されます。

カスケード重心の出力
5/20/2014