Python ウィンドウの使用
ジオプロセシングの経験がない場合は、ジオプロセシング操作の実行にツールの各ダイアログ ボックスを使うのが最も一般的です。この方法は、一度に 1 つのツールしか実行しなくてもよい操作の実行に適しています。ジオプロセシング ツールのダイアログ ボックスは使いやすく、パラメータの使用方法が間違っている場合は、すぐにその横に警告やエラーのアイコンとメッセージによるフィードバックが表示されます。一方で、これ以外にも、Python スクリプトなど、ジオプロセシング ツールや操作をより効率的に実行できる方法があります。
[Python] ウィンドウは対話型の Python インタープリタ(またはインタフェース)で、これを使用して ArcGIS for Desktop アプリケーションの中からジオプロセシング ツールや Python の機能を実行できます。ArcGIS の Python スクリプト機能に直接アクセスする場合には、このウィンドウが最適です。[Python] ウィンドウで習得したスキルは、より複雑なスタンドアロン Python スクリプトや Python スクリプト ツールを作成するときに直接適用できます。
ArcGIS で Python を使用する最も簡単な方法は、[Python] ウィンドウでコマンドを入力するというやり方です。[Python] ウィンドウに、3 つの大なり記号(>>>)のプロンプトが表示され、実行対象のコード ブロックの最初の行が示されます。この 1 行目に簡単な Python の構文を直接入力して、実行することができます。入力した Python コードは Enter キーを押せばすぐに実行できるため、[Python] ウィンドウは、実験的なコードを実行および表示できる場としても便利です。特定の Python コマンドの動作について確信が持てない場合は、[Python] ウィンドウを開いて、エラーが出なくなるまでそのコマンドを実験します。
[Python] ウィンドウを Python コマンドと構文の実行と実験の貴重なリソースとして使用できるのは、いくつかの重要な機能があるためです。
- Python のすべての機能は、[Python] ウィンドウにより表示されます。
- 複数のジオプロセシング ツールやジオプロセッサ メソッドが含まれた複数のコマンドの入力と実行が可能です。
- すでに入力および実行したツールや関数は、再利用、編集、および再実行できます。
- Python コマンドやコード ブロックは、既存の Python ファイルから読み込むことができます。
- Python コマンドやコード ブロックは、後日の読み込みや別の環境での使用を可能にするために、Python ファイルまたはテキスト ファイルとして保存できます。
- 自動完了機能を使用すると、ツールのダイアログ ボックスを使用するよりも素早く簡単にジオプロセシング ツールのパラメータを入力できます。
>>> print "Hello Jack!"
Hello Jack!
>>> count = 0
>>> count
0
>>>
上記の例では、簡単なステートメントが表示され、変数に値が割り当てられます。print ステートメントと変数のカウント後には、リターンが [Python] ウィンドウに表示されます。
複数のコマンドの入力
コード ブロックを実行せずに 1 行目以降に行を入力するには、1 行目の入力後に Ctrl キーを押しながら、Enter キーを押します。カーソルが [Python] ウィンドウの二次プロンプトに移動し(...)、追加のコード行を入力できるようになります。この方法ですべてのコマンドを入力し終わったら、Enter キーを 2 回押してコード ブロック全体を実行します。
>>> x = 1
... y = 2
... print x + y
...
3
>>>
コマンドの完成に追加の情報が必要な場合は、[Python] ウィンドウに二次的なプロンプトも表示されます。次の例の場合、for という論理ステートメントを使用するためには、少なくともあと 1 行追加してコードを完成させる必要があります。
>>> for count in range(1,5):
... print count
...
1
2
3
4
>>>
パス
Python などのプログラミング言語は、円記号(\)をエスケープ文字として扱います。たとえば、\n は改行を表し、\t はタブを表します。パスを指定する際には、スラッシュ(/)を円記号の代わりに使用できます。1 つではなく 2 つの円記号を使用すれば、構文エラーを避けることができます。また、円記号を含む文字列が正しく解釈されるように、文字列の前に文字 r を置くことによって、文字列リテラルを使用することもできます。
import arcpy
arcpy.GetCount_management("c:/temp/streams.shp")
arcpy.GetCount_management("c:\\temp\\streams.shp")
arcpy.GetCount_management(r"c:\temp\streams.shp")
Python ウィンドウのキーボード ショートカット
F1 |
現在のカーソル位置についてのヘルプが表示されます。 |
F2 |
現在の行(または複数行モードの場合はコード ブロック)の構文をチェックします。エラーがある場合は、ヘルプのパネルに表示されます。 |
Shift または Ctrl + Enter |
複数行モードに入ります。複数行モードを終了する(コード ブロックを実行する)には、最終行で Enter キーを押します。 |
上下矢印 |
すでに入力済みのコマンドに最終行でアクセスできます。 |
右クリック |
追加のオプションにアクセスできます。 |