PostgreSQL に格納されたジオデータベースの ArcSDE ログ ファイル テーブル

ジオデータベースはログ ファイル テーブルを使用してテーブル行のリストを保持します。

詳細については、「PostgreSQL 用 ArcSDE ログ ファイル テーブル設定オプション」をご参照ください。

ArcCatalog と ArcMap のログ ファイル テーブル

ArcGIS for Desktop ではログ ファイル テーブルを確認することはできません。ただし、ArcMap で選択セットに 100 個以上のフィーチャが含まれる選択を行うと、ログ ファイル テーブルが作成され、フィーチャが設定されます。

PostgreSQL データベースのログ ファイル テーブル

PostgreSQL でジオデータベースを作成する際、デフォルトのログ ファイル設定では共有の ArcSDE ログ ファイルが使用されます。共有ログ ファイルは、同じユーザとして接続するすべてのセッションで共有されます。複数のユーザが同じユーザ アカウントで接続する場合、それらのセッションはすべて、同じログ ファイルのデータ テーブルでレコードを挿入または削除します。ログ ファイルは、ArcGIS を使用して作成された選択セットのレコードの数が 100 個を超えた時点で初めて作成されます。

ジオデータベースに作成されるログ ファイル テーブルは、どのログ ファイル設定を使用するかによって異なります。

共有ログ ファイル テーブル

デフォルトの共有ログ ファイルを使用する場合は、DBMS のユーザ ID ごとにテーブルが 2 つ作成され(sde_logfiles および sde_logfile_data)、その DBMS ユーザのスキーマで格納されます。作成されたテーブルはジオデータベースに保存されますが、接続しているアプリケーションがそのログ ファイルをすべて削除するとログ ファイル エントリもすべて削除されます。

破線はテーブル間の暗黙的なリレーションシップを示しています。

PostgreSQL 内の共有 ArcSDE ログ ファイル テーブル

セッションベース ログ ファイル テーブル

ログ ファイル設定をセッションベースのログ ファイルを使用するように変更すると、ジオデータベースに sde_logfilessde_logfile_datasde_session<sde_id> の 3 つのテーブルが作成されます。これらのテーブルは、テーブルが作成されたセッションのユーザのスキーマに作成されます。sde_logfile_data テーブルは作成されるだけで、データは設定されません。sde_logfiles テーブルと sde_logfile_data テーブルはジオデータベースに残りますが、sde_logfiles テーブルはアプリケーションの接続が切断されたときに空になります。sde_session<sde_id> テーブルは、接続しているアプリケーションでログ ファイルのレコードが不要になった時点で空になり(ArcMap では、これは選択セットが存在しない状態を意味します)、セッションの終了時に削除されます。

PostgreSQL 内の ArcSDE セッション ログ ファイル テーブル

スタンドアロン ログ ファイル テーブル

スタンドアロンのログ ファイルを使用する場合、セッションの選択セットのサイズが閾値を超えると、各レイヤに新しい sde_logdata<sde_id>_<#> テーブルが作成されます。sde_logfiles テーブルと sde_logfile_data テーブルはセッションごとに作成されますが、sde_logfile_data テーブルにはデータは設定されません。これらのテーブルはそれらの作成につながる操作を行ったユーザのスキーマに作成されます。

sde_logdata<sde_id>_<#> テーブルは、接続しているセッションでログ ファイルが不要になった時点で空になり、セッションの終了時に削除されます。sde_logfiles テーブルはアプリケーションの接続が切断されたときに空になります。

PostgreSQL 内のスタンドアロン ログ ファイル テーブル

ログ ファイル テーブルのプール

sde_logfile_pool テーブルは、ジオデータベースの作成時にジオデータベース管理者のスキーマに作成され、格納されます。ジオデータベース管理者が所有するスタンドアロンまたはセッションベースのログ ファイルのプールを使用する場合には、このテーブルが使用されるだけでなく、sde_logpool_<table_Id> テーブルがジオデータベースに作成されます。作成される sde_logpool_<table_Id> テーブルの数は、sde_server_config テーブルの LOGFILEPOOLSIZE に指定する値によって異なります。次の例では、LOGFILEPOOLSIZE は 10 に設定されているため、sde_logpool_<table_Id> テーブル 1 ~ 10 が作成されています。

ログ ファイルのプールに作成されるテーブルはすべて、ジオデータベース管理者のスキーマに作成されます。

PostgreSQL 内の ArcSDE ログ ファイル テーブルのプール

注意注意:

MAXSTANDALONELOGS に 0 よりも大きい数値を設定し、データベースにテーブルを作成できるユーザがログ ファイルを作成する閾値を超えるサイズの選択セットを作成すると、そのユーザのスキーマでスタンドアロン ログ ファイル テーブルが作成されます。

ログ ファイル用のシステム テーブル

次に、ArcSDE ログ ファイルに使用されるテーブルの定義を示します。

sde_logdata<sde_id>_<#>

sde_logdata<sde_id>_<#> テーブルには、スタンドアロン ログ ファイルの一部であるビジネス テーブルのレコードのリストが含まれます。テーブルの名前にはセッション ID とスタンドアロン ログ ファイルの連番が含まれます。このテーブルの所有者は、テーブルの作成につながる操作を行ったユーザです。

フィールド名

フィールド タイプ

説明

NULL?

sde_row_id

integer

ログに記録されるビジネス テーブル行の RowID または ShapeID

NOT NULL

sde_logfile_data

sde_logfile_data テーブルには、各ログ ファイルの一部であるビジネス テーブルのレコードのリストが含まれます。このテーブルの所有者は、テーブルの作成につながる操作を行ったユーザです。

フィールド名

フィールド タイプ

説明

NULL?

sde_row_id

integer

ログに記録されるビジネス テーブル行の RowID または ShapeID。ログ ファイルは RowID、ShapeID、またはユーザ ID で記録されます。

NOT NULL

row_id

integer

レコードの一意な ID。重複する <logfile_data_id,sde_row_id> 値の削除を可能にします。

logfile_data_id

integer

RowID が属しているログ ファイルの ID。削除操作の負荷を減らすためにログ ファイルを削除すると、常に新しい logfile_data_ids が割り当てられます。sde_logfile_data で削除された値も、別の logfile_data_id 値が割り当てられて、削除済みとしてマークされます。logfile_data_id は、sde_logfiles のログファイル メタデータへの参照です。

NOT NULL

sde_logfile_pool

sde_logfile_pool テーブルは、現在チェックアウトされているログ ファイルのリストを管理します。このテーブルは、ジオデータベースの作成時に作成され、ジオデータベース管理者によって所有されます。

フィールド名

フィールド タイプ

説明

NULL?

table_id

integer

ログ ファイル プール テーブルの ID。

NOT NULL

sde_id

integer

特定のログ ファイル プール テーブルを現在使用している sde 接続の ID。sde_id は process_information テーブルの sde_id 列への参照です。sde_id が NULL の場合は、このログ ファイル プール テーブルが現在使用されていないことを意味します。

sde_logfiles

sde_logfiles テーブルにはログ ファイルのメタデータが含まれます。このテーブルの所有者は、テーブルの作成につながる操作を行ったユーザです。

フィールド名

フィールド タイプ

説明

NULL?

logfile_name

varchar(255)

ログ ファイルの一意なユーザ定義(またはアプリケーション定義)名。

NOT NULL

logfile_id

integer

ログ ファイルの一意な ID。

NOT NULL

logfile_data_id

integer

RowID が属しているログ ファイルの ID。

削除操作の負荷を減らすためにログ ファイルを削除すると、常に新しい logfile_data_ids が割り当てられます。

NOT NULL

registration_id

integer

このログ ファイルに ID が記録されているビジネス テーブルの登録 ID。

NOT NULL

flags

integer

ログ ファイルのプロパティを示す値のビットマスク。

NOT NULL

session_tag

integer

接続のセッションの一意な ID。この ID によって、たとえば、特定の接続でそのセッションに属しているすべてのテンポラリ ログ ファイルを削除することが可能です。

NOT NULL

logfile_data_db

varchar(32)

このログ ファイルの ID を保持しているテーブルが格納されているデータベースの名前。

logfile_data_owner

varchar(32)

このログ ファイルの ID を保持しているテーブルの所有者の名前。

logfile_data_table

varchar(32)

このログ ファイルの ID を保持しているテーブルの名前。従来の sde_logfile_data、ログ プール テーブル、セッション テーブル、またはスタンドアロンの sde_logdata<SDE_ID>_<#> テーブル。

column_name

varchar(32)

ログに記録されるビジネス テーブルの列の名前。一般的には RowID または ShapeID であるが、任意の整数列の記録を指定することもできます。

sde_logpool_<table_ID>

sde_logfile_pool テーブルは、現在チェックアウトされているログ ファイルのリストを管理します。このテーブルは、ジオデータベースの作成時に作成され、ジオデータベース管理者によって所有されます。

フィールド名

フィールド タイプ

説明

NULL?

logfile_data_id

integer

RowID が属しているログ ファイルの ID。

削除操作の負荷を減らすためにログ ファイルを削除すると、常に新しい logfile_data_ids が割り当てられます。logfile_data_id は、sde_logfiles のログファイル メタデータへの参照です。

NOT NULL

sde_row_id

integer

ログに記録されるビジネス テーブル行の RowID または ShapeID。ログ ファイルは RowID または ShapeID のどちらかで記録されます。

NOT NULL

sde_session<sde_id>

sde_session<sde_id> テーブルは、セッションベースのログ ファイルを使用している場合に作成されます。このテーブルは、セッションにおいてアプリケーションの閾値(ArcMap では 100 レコード)を超える選択セットが作成されたときに、ログ ファイルのレコードを追跡するために使用されます。sde_session<sde_id> テーブルは、セッションの終了時に削除されます。

フィールド名

フィールド タイプ

説明

NULL?

logfile_data_id

integer

RowID が属しているログ ファイルの ID。

削除操作の負荷を減らすためにログ ファイルを削除すると、常に新しい logfile_data_ids が割り当てられます。logfile_data_id は、sde_logfiles のログファイル メタデータへの参照です。

NOT NULL

sde_row_id

integer

ログに記録されるビジネス テーブル行の RowID または ShapeID。ログ ファイルは RowID または ShapeID のどちらかで記録されます。

NOT NULL

XML ワークスペース ドキュメントのログ ファイル テーブル

ログ ファイル テーブルは XML ドキュメントに格納されません。つまり、ジオデータベース スキーマを XML ワークスペース ドキュメントにエクスポートした場合は、スキーマをインポートした後で、ログ ファイル閾値を超える選択セットをユーザが作成したときに再度ログ ファイル テーブルが作成されます。

5/10/2014