リニア リファレンスとは
多くの組織では、線形の地物(ライン フィーチャ)に関するデータを収集する場合、xy 座標で位置を表す代わりに、ライン沿いの相対的なポイント位置として表します。
リニア リファレンスの概要
リニア リファレンスとは、線形地物(ライン フィーチャ)に目盛(メジャー)を付け、それを基準とする相対的な位置によって地理的な場所を格納する方法です。距離メジャーを使用して、ライン沿いのイベントの位置を表します。
フィーチャ沿いのメジャーを使用して、特定の規則に従ってポイント イベントとライン イベントの位置を表します。次に、例をいくつか示します。
次の図に示す方法で、ライン沿いのポイント位置を表すことができます。
- ライン沿いのメジャー 12 の位置
- ライン沿いで、メジャー マーカー 10 から東方向へ 4 単位の位置
ライン フィーチャの位置を表すにはいくつかの方法があります。上の例では、次のように表すことができます。
- メジャー 18 を始点とし、メジャー 26 を終点とするライン
- メジャー 28 を始点とし、ここから 12 単位分の長さのライン
リニア リファレンスの利点
リニア リファレンスにはさまざまな利点がありますが、最も大きな利点は次の 2 つです。
- 多数の場所をライン フィーチャ上のイベントとして記録できます。たとえば、交通事故の発生場所を、「州道 287 沿いで、マイル標 35 から東へ 27 マイルの地点」として記録できます。距離や時間を基準にして、パイプライン、道路、河川などのライン フィーチャ上の状態をさまざまなセンサーが記録します。
- リニア リファレンスを使用すれば、ライン フィーチャの各部に複数の属性セットを関連付けることができます。属性値を変更するたびに、基のラインをセグメント化(分割)する必要がありません。たとえば、ほどんどの道路中心線 フィーチャクラスは、3 つ以上の道路区分が交差する場所および道路名が変わる場所で分割されます。
さらに、道路に関するその他多くの属性を記録する必要があります。リニア リファレンスを使用しない場合、属性値が変わるすべての箇所で道路を分割し、多数の短区間に分けなければなりません。次の図のように、道路上のリニア リファレンス イベントとして処理すれば管理が容易になります。
ダイナミック セグメンテーションとは
ダイナミック セグメンテーションは、イベント テーブルで保存および管理されているイベントについて、リニア リファレンスの測定基準を使用してマップ位置を求め、それらをマップ上に表示するプロセスです。属性値を変更するたびにライン フィーチャを分割(セグメント化)する必要がなく、セグメントを「ダイナミック」に特定できることから、ダイナミック セグメンテーションと呼ばれています。
ダイナミック セグメンテーションを使用することで、複数の属性セットを、始点や終点とは切り離して、既存のライン フィーチャの任意のポーションに関連付けることができます。関連付けられているライン フィーチャのジオメトリに影響を与えることなく、これらの属性を表示、検索、編集、解析できます。