GIS プロフェッショナル向けの投影の基礎

座標系は地図投影とも呼ばれるもので、空間データに関する任意の表示方法です。座標系の目的は、地球表面上の特定の場所または地域に関する情報伝達のための共通基準を提供することです。座標系を扱う際に最も重要なのは、投影法とは何かを理解し、データセットに正しい座標系情報を関連付けることです。座標系は、地理座標系と投影座標系の 2 種類に分類されます。

地理座標系(GCS)では、地球上の場所を定義するために 3 次元の球面を使用します。GCS には、角度の計測単位、本初子午線、および測地基準系回転楕円体に基づく)が含まれます。地理座標系では、ポイントはその経度と緯度の値によって示されます。緯度と経度は、地球の中心から地球の表面上のポイントに向かって計測された角度です。多くの場合、これらの角度は度(またはグラジアン)で計測されます。

地理座標系についての詳細

投影座標系は、2 次元平面上に定義されます。地理座標系とは異なり、投影座標系では 2 次元上での長さ、角度、および面積が一定になります。投影座標系のベースは常に、球体または回転楕円体に基づく地理座標系です。

投影座標系では、位置はグリッド上のx、y座標で表され、グリッドの中心が原点になります。それぞれの位置は、中心位置を基準とした 2 つの値を持ちます。一方の値は水平位置を表し、もう一方の値は垂直位置を表します。

投影座標系についての詳細

最初の地図投影が考案された当時、地球は平らであるという誤った想定がなされていました。のちに、その想定は修正され、地球は完全な球体であると仮定されました。地球が完全な球体ではないことに人々が気付き始めたのは、18 世紀になってからでした。これが地図製作における回転楕円体の概念の始まりです。

地球の表面上の位置をより正確に表すために、地図作成者は地球の形状(測地学)を研究し、回転楕円体という概念を確立しました。測地基準系は、回転楕円体を地球の表面上の特定部分に結び付けます。最近の測地基準系は、地球全体の表面に合致するよう設計されています。

北米で最もよく使用されるのは、次の測地基準系です。

最近の回転楕円体は、人工衛星による計測データから開発されているため、19 世紀や 20 世紀に定義されたものよりも正確です。

「地理座標系」と「測地基準系」の 2 つ用語は同じ意味で使用されています。

測地基準系についての詳細

ある位置の座標は、同じ地図投影や投影パラメータを使用している場合でも、それらの座標が基にしている測地基準系や回転楕円体に応じて変化します。例として、3 種類の測地基準系を使用した場合の、ワシントン州ベリンガムの地理座標を示します。

測地基準系

Latitude

Longitude

NAD 1927

48.7440490722656

-122.466903686523

NAD 1983

48.7438798543649

-122.46818353793

WGS 1984

48.7438798534299

-122.46818353793

データをよりよく管理するためには、データを提供しているデータ ソースから座標系情報を取得することが原則となります。データの座標系を推測すると、GIS データベースの精度が低下するため、そのようなことは避けてください。必要なパラメータは以下のとおりです。

Geographic coordinate system (Datum)
Unit of measure
Zone (for UTM or State Plane)
Projection
Projection parameters

地図投影の種類によっては、投影パラメータが必要になります。たとえば、アルベルスおよびランベルト円錐図法には、以下のパラメータが必要です。

1st standard parallel
2nd standard parallel
Central meridian
Latitude of origin
False easting
False northing
Unit of measure

[データ管理ツール] 内の [投影法の定義] ツールを使用して、データの座標系を定義できます。

データに座標系が定義されていても、組織内で使用する標準的な座標系と一致しない場合には、そのデータを投影変換することができます。[データ管理ツール] 内の [投影変換] ツールまたは [ラスタの投影変換] ツールを使用して、ジオデータベース フィーチャ データセット、フィーチャクラス、シェープファイル、またはラスタ データセットのデータの投影変換を実行できます。

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5/10/2014