トポ → ラスタ(Topo to Raster) (Spatial Analyst)

ライセンス レベル:BasicStandardAdvanced

サマリ

ポイント、ライン、およびポリゴン データから、水文学的に正しいラスタ サーフェスを内挿します。

[トポ → ラスタ(Topo to Raster)] ツールの詳細

使用法

構文

TopoToRaster (in_topo_features, {cell_size}, {extent}, {Margin}, {minimum_z_value}, {maximum_z_value}, {enforce}, {data_type}, {maximum_iterations}, {roughness_penalty}, {discrete_error_factor}, {vertical_standard_error}, {tolerance_1}, {tolerance_2}, {out_stream_features}, {out_sink_features}, {out_diagnostic_file}, {out_parameter_file}, {profile_penalty}, {out_residual_feature}, {out_stream_cliff_error_feature}, {out_contour_error_feature})
パラメータ説明データ タイプ
in_topo_features
topo_input

Topo クラスは、サーフェス ラスタに内挿される Z 値を含む入力フィーチャを指定します。

Topo クラスへの入力には、次の 9 つのタイプを指定できます。TopoPointElevationTopoContourTopoStreamTopoSinkTopoBoundaryTopoLakeTopoCliffTopoExclusion、および TopoCoast

  • TopoPointElevation ([[inFeatures,{field}],...])

    サーフェスの標高を表すポイント フィーチャクラス。

    field には、ポイントの標高を格納するフィールドを指定します。

  • TopoContour ([[inFeatures,{field}],...])

    標高コンターを表すライン フィーチャクラス。

    field には、コンター ラインの標高を格納するフィールドを指定します。

  • TopoStream ([inFeatures,...])

    河川の位置を表すライン フィーチャクラス。すべてのアークは、下流を指すように配置する必要があります。フィーチャクラスには、単一アークの河川のみを含むようにしてください。

  • TopoSink ([[inFeatures,{field}],...])

    既知のシンクを表すポイント フィーチャ。[トポ → ラスタ(Topo to Raster)] は、シンクとして明示的に指定されたポイントを解析から除外しません。

    field を使用する場合は、正当なシンクの標高を格納するフィールドを指定します。NONE を選択した場合は、シンクの位置だけが使用されます。

  • TopoBoundary ([inFeatures,...])

    出力ラスタの外側の境界を表す単一のポリゴンを含むフィーチャクラス。この境界より外にある出力ラスタのセルは NoData になります。最終的な出力ラスタを作成する前に、このオプションを使用して海岸線に沿った水域エリアを切り取ることができます。

  • TopoLake ([inFeatures,...])

    湖の位置を指定するポリゴン フィーチャクラス。湖の内部にある出力ラスタのセルはすべて、湖岸線に沿ったすべてのセルの最小の標高値に割り当てられます。

  • TopoCliff ([inFeatures,...])

    崖を表すライン フィーチャクラス。崖のライン フィーチャは、ラインの左側が崖の低い側になり、ラインの右側が崖の高い側になるように、配置する必要があります。

  • TopoExclusion ([inFeatures,...])

    入力データが無視されるべき領域のポリゴン フィーチャクラス。これらのポリゴンにより、内挿プロセスから標高データを削除できます。これは通常、ダム壁や橋に関連付けられている標高データを削除するのに使用されます。これにより、接続する排水構造を持った基礎となる谷の内挿が可能になります。

  • TopoCoast ([inFeatures,...])

    海岸エリアのアウトラインを格納するポリゴン フィーチャクラス。これらのポリゴンの外側にある最終出力ラスタのセルは、ユーザが指定した最小標高制限未満の値に設定されます。

ポイントの標高、コンター、およびシンクの入力フィーチャ タイプでは、Z 値を格納するフィールドを指定できます。境界、湖、崖、海岸、除外、河川の入力タイプには、[フィールド] オプションはありません。

TopoInput
cell_size
(オプション)

作成する出力ラスタのセル サイズ。

環境設定で特定の値が指定されている場合は、その値を使用します。そうでない場合、セル サイズは、入力空間参照において、入力ポイント フィーチャの範囲の幅または高さ(どちらか短いほう)を 250 で割った値になります。

Analysis Cell Size
extent
(オプション)

Extent クラスは、出力ラスタ データセットの範囲を決定します。

内挿は X および Y の制限内で実行され、この範囲の外にあるセルは NoData になります。出力ラスタのエッジに沿って最適な内挿結果を得るには、X および Y の範囲を入力データの範囲よりも両側で少なくとも 10 セル分だけ小さくなるようにします。

Extent クラスの形式は、次のとおりです。

  • Extent (XMin, YMin, XMax, YMax)

    ここで:

    • XMin - デフォルトは、すべての入力の最小の X 座標です。
    • YMin - デフォルトは、すべての入力の最小の Y 座標です。
    • XMax - デフォルトは、すべての入力の最大の X 座標です。
    • YMax - デフォルトは、すべての入力の最大の Y 座標です。

デフォルトの範囲は、入力フィーチャ データのすべての範囲で最大となる範囲です。

Extent
Margin
margin
(オプション)

指定した出力範囲と境界を越えて内挿を行う距離(セル単位)。

値は 0 以上である必要があります。デフォルト値は 20 です。

ExtentTopoBoundary フィーチャ データセットが、入力データの制限範囲と同じである場合(デフォルト)、DEM のエッジに沿って内挿される値は隣接する DEM データとうまく一致しません。これは、これらの値を内挿するときに使用されるデータの量が、ラスタ内部で周囲をすべて入力データで囲まれているポイントに比べて半分しかないためです。Margin オプションを使用すると、これらの範囲外にある入力データを内挿に使用できます。

Long
minimum_z_value
(オプション)

内挿で使用する最小の Z 値。

デフォルトは、すべての入力値の最小値より 20 パーセント低い値です。

Double
maximum_z_value
(オプション)

内挿で使用する最大の Z 値。

デフォルトは、すべての入力値の最大値より 20 パーセント高い値です。

Double
enforce
(オプション)

適用する強制的な排水のタイプ。

強制的な排水のオプションを設定すると、すべてのシンクを除去して、水文学的に正しい DEM を作成できます。シンク ポイントが入力フィーチャ データで明示的に指定されている場合、これらのシンクは平滑化されません。

  • ENFORCE このアルゴリズムは、実在のシンクか偽のシンクかにかかわらず、見つかったシンクをすべて除去しようとします。これはデフォルト設定です。
  • NO_ENFORCE シンクは平滑化されません。
  • ENFORCE_WITH_SINK 入力フィーチャ データでシンクとして指定されたポイントは既知のシンクを表し、これらは変更されません。入力フィーチャ データで指定されていないシンクは偽のシンクと見なされ、アルゴリズムはこれを平滑化しようとします。偽のシンクの数が 8,000 を超えると、ツールは失敗します。
String
data_type
(オプション)

入力フィーチャ データの主な標高データ タイプ。

  • CONTOUR 入力データの主なタイプは標高コンターになります。これはデフォルト設定です。
  • SPOT 入力の主なタイプはポイントになります。

関連するタイプを選択することで、河川と尾根の生成中に使用される検索方法が最適化されます。

String
maximum_iterations
(オプション)

内挿を繰り返す最大回数。

繰り返しの回数は、0 より大きい値にする必要があります。デフォルトは 20 で、通常はコンターとライン データの両方に対して十分です。

値を 30 にすると、除去されるシンクが減少します。まれに、除去するシンクや設定する尾根や河川の数を増やす場合に、大きい値(45 〜 50)が有効な場合もあります。繰り返しの最大回数に達すると、各グリッドの解像度で繰り返しが終了します。

Long
roughness_penalty
(オプション)

粗さの尺度を表す二次導関数の二乗の積分。

粗さのペナルティは 0 以上である必要があります。主な入力データ タイプが CONTOUR の場合、デフォルトは 0 です。主なデータ タイプが SPOT の場合、デフォルトは 0.5 です。通常、これより大きな値は推奨されません。

Double
discrete_error_factor
(オプション)

離散化誤差ファクタは、入力データをラスタに変換するときに、スムージングの量を調整するために使用します。

0 より大きい値を指定する必要があります。通常の調整範囲は 0.25 〜 4 で、デフォルトは 1 です。値が小さいほどデータのスムージング量が少なくなり、値が大きいほどスムージング量が多くなります。

Double
vertical_standard_error
(オプション)

入力データの Z 値における確率的誤差の量。

値は 0 以上である必要があります。デフォルトは 0 です。

データに均一な分散の重大な確率的(系統的でない)垂直誤差がある場合、垂直方向標準誤差に小さい正の値を設定できます。この場合、垂直方向標準誤差をこれらの誤差の標準偏差に設定します。ほとんどの標高データセットでは垂直誤差を 0 に設定しますが、河川のライン データを持つポイント データをラスタ化する場合は、小さい正の値を設定して収束を安定させることができます。

Double
tolerance_1
(オプション)

この許容値は、地表の排水に関する標高ポイントの精度と密度を反映します。

ポイント データセットの場合、許容値をデータの高さの標準誤差に設定します。コンター データセットの場合は、平均コンター間隔の 2 分の 1 を使用します。

値は 0 以上である必要があります。デフォルトは、データ タイプが CONTOUR の場合は 2.5、データ タイプが SPOT の場合は 0 です。

Double
tolerance_2
(オプション)

この許容値は、非現実的に高いバリアによる排水の除去を回避します。

0 より大きい値を指定する必要があります。デフォルトは、データ タイプが CONTOUR の場合は 100、データ タイプが SPOT の場合は 200 です。

Double
out_stream_features
(オプション)

河川ポリライン フィーチャと尾根ライン フィーチャの出力ライン フィーチャクラス。

ライン フィーチャは、内挿プロセスの最初に作成されます。内挿にサーフェスの一般的な形状を与えます。既知の河川および尾根データと比較して排水と形状が正しいことを確認するために使用できます。

ポリライン フィーチャは、次のようにコード化されます。

  1. 崖を流れない入力河川ライン。
  2. 崖を流れる入力河川ライン(滝)。
  3. 偽のシンクを除去する強制排水。
  4. コンターのコーナーから決定される河川ライン
  5. コンターのコーナーから決定される尾根ライン。
  6. 使用しません。
  7. データ河川ラインの副条件。
  8. 使用しません。
  9. 大きな標高データが削除されたことを示すライン。
Feature Class
out_sink_features
(オプション)

残留シンク ポイント フィーチャの出力ポイント フィーチャクラス。

これらは、シンク入力フィーチャ データに指定されていない、強制的な排水で除去されなかったシンクです。tolerance_1tolerance_2 の値を調整することで、残留シンクの数を減らすことができます。残留シンクは、強制的な排水のアルゴリズムで解決できなかった入力データ中のエラーを示している可能性があります。これは、わずかな標高のエラーを検出する有効な方法として使用できます。

Feature Class
out_diagnostic_file
(オプション)

使用されたすべての入力とパラメータ、および各解像度と繰り返しで除去されたシンクの数を一覧で示す出力診断ファイル。

File
out_parameter_file
(オプション)

使用されたすべての入力とパラメータの一覧を示す出力パラメータ ファイル。[トポ → ラスタ(ファイルによる定義)(Topo to Raster by File)] で使用して、内挿を再度実行できます。

File
profile_penalty
(オプション)

断面曲率の粗さのペナルティは、局所に適用するペナルティで、曲率全体の一部を置き換えるのに使用できます。

これにより、結果として高品質のコンター データを得ることができますが、低精度のデータとの収束において不安定になる可能性もあります。断面曲率なしには 0.0(デフォルト)、緩やかな断面曲率には 0.5、最大断面曲率には 0.8 を、それぞれ設定します。0.8 より大きな値は推奨できないため、使用しないでください。

Double
out_residual_feature
(オプション)

局所的な離散化誤差によって縮尺されたときの、すべての大きな標高残差の出力ポイント フィーチャクラス。

10 より大きいスケールされた残差はすべて、入力標高データと河川データにエラーがないことを確認するために検証する必要があります。スケールされた残差が大きいことは、入力標高データと河川ライン データとの間に競合があることを示します。このことは、自動の強制排水が不十分であることとも関係があります。これらの競合を解決するには、既存の入力データのエラーを最初にチェックして修正した後で、河川ラインおよび/またはポイント標高データを追加します。スケールされていない残差が大きいことは、通常、入力標高エラーを示します。

Feature Class
out_stream_cliff_error_feature
(オプション)

河川および崖のエラーが発生する可能性がある場所の出力ポイント フィーチャクラス。

河川に閉じたループ、分流、および崖を流れる河川(滝)がある場所を、ポイント フィーチャクラスから識別できます。崖の高い側および低い側と一致しない隣接セルを持つ崖も示されます。これは、方向が正しくない崖を的確に示す方法として使用できます。

ポイントは、次のようにコード化されます。

  1. データ河川ライン ネットワーク内の真の回路。
  2. 出力ラスタでエンコードされているとおりの河川ネットワーク内の回路。
  3. 複数の湖の接続によって生成される河川ネットワーク内の回路。
  4. 分流ポイント。
  5. 崖を流れる河川(滝)。
  6. 湖からの複数の河川の流出を示すポイント。
  7. 使用しません。
  8. 崖の方向と高さが一致しない崖の脇のポイント。
  9. 使用しません。
  10. 削除された回路状の分流。
  11. 流入する河川がない分流。
  12. データ河川ライン分流が発生する場所とは異なる出力セル内のラスタ化された分流。
  13. 非常に複雑な河川ライン データを示す、副条件を処理するエラー。
Feature Class
out_contour_error_feature
(オプション)

入力コンター データに関して発生の可能性があるエラーの出力ポイント フィーチャクラス。

出力ラスタで表されているようにコンター値の標準偏差の 5 倍を超える高さのバイアスがあるコンターは、このフィーチャクラスに報告されます。標高が異なる他のコンターと結合するコンターは、このフィーチャクラスではコード 1 でマークされます。これにより、コンター ラベル エラーを確実に識別できます。

Feature Class

戻り値

名前説明データ タイプ
out_surface_raster

内挿された出力サーフェス ラスタ。

Raster

コードのサンプル

TopoToRaster(トポ → ラスタ)の例 1(Python ウィンドウ)

この例では、ポイント、ライン、およびポリゴン データから、水文学的に正しい TIFF サーフェス ラスタを作成します。

import arcpy
from arcpy import env  
from arcpy.sa import *
env.workspace = "C:/sapyexamples/data"
outTTR = TopoToRaster([TopoPointElevation([['spots', 'spot_meter']]), 
                       TopoContour([['contours', 'spot_meter']]),
                       TopoCliff(['cliff'])], 60, 
                       "#", "#", "#", "#", "NO_ENFORCE")
outTTR.save("C:/sapyexamples/output/ttrout.tif")
TopoToRaster(トポ → ラスタ)の例 2(スタンドアロン スクリプト)

この例では、ポイント、ライン、およびポリゴン データから、水文学的に正しい GRID サーフェス ラスタを作成します。

# Name: TopoToRaster_Ex_02.py
# Description: Interpolates a hydrologically correct surface 
#    from point, line, and polygon data.
# Requirements: Spatial Analyst Extension

# Import system modules
import arcpy
from arcpy import env
from arcpy.sa import *

# Set environment settings
env.workspace = "C:/sapyexamples/data"

# Set local variables
inPointElevations = TopoPointElevation([['spots.shp', 'spot_meter'], 
                                        ['spots2.shp', 'elev']])
inBoundary = TopoBoundary(['boundary.shp'])
inContours = TopoContour([['contours.shp', 'spot_meter']])
inLake = TopoLake(['lakes.shp'])
inSinks = TopoSink([['sink1.shp', 'elevation'], ['sink2.shp', 'none']])
inStream = TopoStream(['streams.shp'])
inCliff = TopoCliff(['cliff.shp'])
inCoast = TopoCoast(['coast.shp'])
inExclusion = TopoExclusion(['ignore.shp'])
                    
inFeatures = ([inPointElevations, inContours, inLake, inStream, inBoundary, inSinks, inCliff, inCoast, inExclusion])

# Check out the ArcGIS Spatial Analyst extension license
arcpy.CheckOutExtension("Spatial")

# Execute TopoToRaster
outTTR = TopoToRaster(inFeatures)

# Save the output 
outTTR.save("C:/sapyexamples/output/ttrout03")

環境

関連トピック

ライセンス情報

ArcGIS for Desktop Basic: 次のものが必要 Spatial Analyst または 3D Analyst
ArcGIS for Desktop Standard: 次のものが必要 Spatial Analyst または 3D Analyst
ArcGIS for Desktop Advanced: 次のものが必要 Spatial Analyst または 3D Analyst
7/28/2014