レイヤおよびレイヤ パッケージの保存
レイヤ ファイルの保存
レイヤをレイヤ ファイル(*.lyr)として保存することにより、レイヤをマップの外に置くことができます。これにより、作成したレイヤに他のユーザが簡単にアクセスできるようになります。
レイヤはネットワーク経由および電子メールで共有できます。
レイヤによって参照されるデータへのアクセスが可能である限り、ユーザがマップに追加したレイヤ ファイルは、保存されたときとまったく同じように描画されます。これをサポートしやすくするには、各レイヤのデータ ソースへの相対パスを使用するのが一般的な方法です。
標準または Maplex ラベル エンジンのいずれかを使用してレイヤ ファイルを保存する場合、その情報はレイヤ ファイルに保存されます。Maplex ラベル エンジンで保存されたレイヤ ファイルを標準ラベル エンジンを使用した *.mxd に追加すると、[ラベル エンジン警告] ダイアログ ボックスが表示されるので、そこでデータ フレームを Maplex ラベル エンジンにアップグレードするかどうかを判断します。
[ラベル エンジン警告] ダイアログ ボックスで [今後、このメッセージを表示しない] オプションを選択すると、この情報はレジストリ設定に保存されます。エラー メッセージを後で返すには、レジストリ キー値「HKEY_CURRENT_USER\Software\ESRI\Desktop10.2.2\ArcMap\Settings\SkipLabelEngineCheck」を削除する必要があります。
レイヤのデータ参照での絶対パス、相対パス、UNC パスの使用
作成されたレイヤ ファイルはそのデータ ソースを参照する際に、マップ ドキュメントに指定されている [データ ソース オプション] 設定を使用します。デフォルトでは、データ ソースは絶対パスで参照されます。この設定は変えることができます。詳細については、マップのデータ参照をご参照ください。
このプロパティは、レイヤを保存する前に設定してください。
ArcGIS の旧バージョンでのレイヤの保存
レイヤを保存しておき、ArcGIS の旧バージョンで扱うことができます。たとえば、ArcGIS 9.3 に保存することができます。
現在のリリースの最新データ ソースの中には、旧バージョンからはアクセスできないものがあります。レイヤを旧バージョン用に保存する際には注意してください。たとえば、ArcGIS 10.2.2 ジオデータベースを参照先とするレイヤは、ArcGIS の旧バージョンでは正しく機能しません。
マップ レイヤの保存手順
- レイヤ名を右クリックして、[レイヤ ファイルとして保存] をクリックします。
- 新しいレイヤ ファイルの名前を入力します。
- 適宜 [ファイルの種類] を使用して、レイヤを以前のバージョンの ArcMap に保存するかどうかを選択できます。
- [保存] をクリックします。
レイヤ パッケージの保存
レイヤはそのデータと一緒にレイヤ パッケージ(*.lpk)として保存できます。レイヤ パッケージには、レイヤ プロパティとともに、レイヤによって参照されるデータセットが格納されます。レイヤ パッケージを利用することで、レイヤのすべての要素(シンボル、ラベリング、フィールド プロパティ、データなど)を保存し、共有することができます。
他のユーザはデータベースへのアクセス方法やデータの分類方法を把握する必要なく、レイヤ パッケージをマップに直接追加することができます。レイヤ パッケージは ArcMap、ArcGlobe、および ArcScene で作成して、ArcMap、ArcGlobe、ArcScene、および ArcGIS Explorer で共有できます。ArcGlobe または ArcScene を使用する場合、3D プロパティをマップ レイヤに追加し、レイヤ パッケージに格納できます。
レイヤ パッケージは(データが格納されるため)、レイヤ ファイルよりもサイズが大きくなります。しかし、レイヤ パッケージを利用するユーザは、データ ソースの心配をする必要がありません。パッケージをどこに置いても、レイヤが正しいデータ ソースを参照することが保証されます。
以前のバージョンではサポートされていないレイヤおよびデータセットをパッケージ化した場合、それらは以前のバージョンのソフトウェアを使用して開けなくなります。以前のバージョンの ArcGIS で使用できないコンテンツに対しては、レイヤをパッケージ化する際に警告が表示されます。レイヤ パッケージは、複数のバージョンの ArcGIS をサポートしているので、パッケージ化の対象となるレイヤとデータ ソースを選択する際には以前のバージョンのソフトウェアで使用可能かどうかを確認してください。
さらに、レイヤはスキーマのみのレイヤ パッケージとして保存できます。このタイプのパッケージにより、データを共有することなく、レイヤ設計と対応するデータ モデル設計を共有できます。スキーマのみのレイヤ パッケージを解凍すると、新しいジオデータベースを作成するか、既存のジオデータベースを選択するよう求められ、レイヤのデータ モデルがそのジオデータベースに読み込まれます。その後、そのデータベース内のレイヤの独自のデータセットを読み込むことができます。
データのパッケージ化をより詳細に管理するには、[結果のパッケージ化(Package Result)] ジオプロセシングツールを使用します。たとえば、現在のマップ範囲内のデータのみをパッケージ化したり、エンタープライズ ジオデータベースのデータをパッケージに含めるために抽出したりするよう指定できます。
レイヤ パッケージは ArcGIS for Desktop バージョン 9.3.1 以降サポートされていますが、スキーマのみのレイヤ パッケージは ArcGIS for Desktop バージョン 10.0 以降サポートされています。レイヤ パッケージは古いバージョン(9.2 以前)では開けません。スキーマのみのレイヤ パッケージは 9.3.1 以前のバージョンでは開けません。
データ レイヤ パッケージの保存手順
- レイヤを右クリックし、[レイヤ パッケージの作成] を選択します。[レイヤ パッケージ] ダイアログ ボックスが表示されます。ヒント:
マップ内の複数のレイヤを共有する場合は、共有対象となるレイヤをいくつか選択し、[レイヤ パッケージの作成] をクリックします。
- レイヤ パッケージの保存先を指定し、名前を付けます。ディスク上のファイルとして保存するか、または ArcGIS Online アカウントで共有することができます。
- エンタープライズ(ArcSDE)ジオデータベースのデータを含めることもできます([データを参照せずにエンタープライズ ジオデータベースのデータを含める])。
- [アイテム説明] で、レイヤ パッケージの [サマリ] と [タグ] を入力します。
- レイヤ パッケージに含める [追加ファイル] を指定します。このオプションを使用すると、詳細な文書、レポート、グラフなどの他のコンテンツを含めることができます。次のタイプのファイルはパッケージに含めることはできません。*.js、*.vbs、*.py、*.pyc、*.pyo、*.bat、*.ocx など。また、署名された *.dll または *.exe だけは含めることができます。
- レイヤは、ディスク上に保存する前または ArcGIS Online で共有する前に、[分析] しておく必要があります。[分析] を実行すると、レイヤが整合チェックされ、エラーと警告があるかどうかが確認されます。問題が見つかると、[準備] ウィンドウにエラーと警告が一覧表示されます。
各準備メッセージを右クリックして詳細情報を表示し、エラーに関するヘルプを参照します。推奨される修正をクリックして確認してください。
- [共有] をクリックして、レイヤ パッケージを作成します。
スキーマのみのレイヤ パッケージの保存手順
スキーマのみのレイヤ パッケージを作成する手順は、上記で説明したレイヤ データ パッケージを保存する手順から 3 を除いた手順と同じです。[スキーマのみパッケージ] オプションを選択して、スキーマのみのレイヤ パッケージを作成します。
[スキーマのみパッケージ] オプションをオンにすると、データを含まないレイヤを共有することができます。レイヤを解凍すると、そのレイヤ用の新しいデータセットをジオデータベース内に作成するかどうかの確認を求められます。
3D マップ レイヤ プロパティのパッケージ化手順
ArcGlobe、ArcScene、ArcGIS Explorer など、さまざまな 3D ビジュアライゼーション環境間でレイヤ パッケージを有効に使用するうえで重要となるのが、レイヤ パッケージの 3D プロパティの有効化です。必ずこのプロパティを先に設定して、ローカル レイヤ ファイルに保存してください。
ArcGIS Explorer のレイヤおよびレイヤ パッケージの使用方法の詳細については、「ArcGIS レイヤおよびレイヤ パッケージの処理」をご参照ください。
- ArcGlobe または ArcScene を起動し、ArcMap で作成しておいたマップ レイヤ(またはレイヤ パッケージ)を追加します。
- 所定の 3D プロパティを設定します。たとえば、3D のフィーチャを立ち上げるように高さプロパティを設定する、3D のマップ レイヤ表示設定の距離範囲を設定するなどです。
- ArcGlobe または ArcScene でレイヤを右クリックし、[レイヤ パッケージの作成] を選択します。
- 上記に概説されている手順に従って、レイヤ パッケージの作成を完了します。