サービス定義ファイルについて
クラウド環境やセキュリティで保護された環境などにおいてサーバへのアクセスが制限されている場合は、サーバ管理者と共有できるサービス定義ファイルを作成して、後で公開することができます。サービス定義ファイルには、サービス プロパティ、機能、およびサービス タイプに関する情報が含まれ、これらの情報が 1 つのファイルにパッケージ化されます。必要に応じて、GIS リソースが参照しているデータを含めるようにサービス定義ファイルを構成できます。
たとえば、GIS アナリストが管理しているジオデータベースが、多数の編集者によって定期的に変更されている場合を考えます。毎月、このデータは品質チェックの処理によって、組織のデータ整合性の基準を満たしているかどうかが確認されます。データの品質が確認された後、検査済みのジオデータベースをサービス定義ファイルに格納し、ArcGIS Server で公開するためにサーバ管理者に送ることができます。
サービス定義ファイルの作成
サービス定義ファイルを作成するには ArcGIS for Desktop を使用します。サービス定義ファイルは、ジオデータベース、住所ロケータ、マップ ドキュメント、ジオプロセシング モデルなどの GIS リソースから作成できます。サービス定義ファイルの作成プロセスを進める前に、次のシナリオについて考えます。
サーバ接続をすでに構成している場合
ArcGIS Server への公開時に使用するサーバ接続が、サーバ管理者によってすでに構成されている場合、サービス定義ファイルを作成するときにこの接続を選択できます。このオプションを選択して作成されたサービス定義ファイルは、サーバ管理者が直ちに ArcGIS Server に公開できます。
サービス定義を作成するときにサーバ接続を指定する場合は、GIS リソースが参照しているデータをファイルに含めるかどうかを決定する必要があります。次に例を示します。
- サービス定義ファイルに GIS リソースが参照しているデータを含めない場合は、ファイルを作成する前に、サーバにデータを登録する必要があります。データを登録することでサーバにデータの場所が通知され、コンピュータ間でデータを公開するときに、サーバがデータへのパスを調整することを認識する際に役立ちます。公開の際に、サービスは引き続き GIS リソースに含まれる元のデータを参照します。サーバに別のコピーは保持されません。この方法を使用する場合は、サービス定義ファイルを公開した時点の GIS リソースのスナップショットが作成されます。ファイルを作成した時点のスナップショットではありません。
- サービス定義に GIS リソースが参照しているデータを含める場合は、データをサーバに登録しません。GIS リソースが参照しているデータはすべて、サービス定義ファイルにカプセル化されます。公開時に、サービスとその関連データはサーバにアップロードされます。この方法を使用する場合は、サービス定義ファイルを作成した時点の GIS リソースとデータのスナップショットが作成されます。ファイルを公開した時点のスナップショットではありません。
サーバから切断されている場合、またはアクセスが制限されている場合
現在サーバから切断されている場合、またはサーバ接続にアクセスできない場合は、利用可能な ArcGIS Server への接続を選択せずにサービス定義を構成できます。このオプションを選択して作成されたサービス定義ファイルは、公開時にサーバ接続を使用して動作するように構成する必要があります。
サービス定義を作成するときにサーバ接続を指定しない場合は、GIS リソースが参照しているデータをファイルに含めるかどうかを決定する必要があります。次に例を示します。
- サービス定義ファイルに GIS リソースが参照しているデータを含めない場合は、ファイルを作成するときに [公開時にサービス定義にデータを含める] オプションをオフにします。データは、ArcGIS Server からアクセスできる場所に配置されている必要があります。公開の際に、サービスは引き続き GIS リソースに含まれる元のデータを参照します。サーバに別のコピーは保持されません。この方法を使用する場合は、サービス定義ファイルを公開した時点の GIS リソースのスナップショットが作成されます。ファイルを作成した時点のスナップショットではありません。
- サービス定義に GIS リソースが参照しているデータを含める場合は、ファイルを作成するときに [公開時にサービス定義にデータを含める] をオンにします。このオプションを有効にすると、GIS リソースが参照しているすべてのデータがコピーされ、サービス定義ファイルにカプセル化されます。公開時に、サービスとその関連データはサーバにアップロードされます。この方法を使用する場合は、サービス定義ファイルを作成した時点の GIS リソースとデータのスナップショットが作成されます。ファイルを公開した時点のスナップショットではありません。
詳細な手順については、「ArcGIS for Desktop でのサービス定義の作成」をご参照ください。
サービス定義ファイルの公開
ArcGIS for Desktop または ArcGIS Server Manager を使用して、サービス定義ファイルを ArcGIS Server に公開できます。手順については、次のトピックをご参照ください。
デフォルトのステージング場所の変更
デフォルトでは、ArcGIS for Desktop はサービス定義ファイルをディスク上のローカル フォルダにステージングします。デフォルトのステージング場所の変更については、「ArcGIS for Desktop でのデフォルトのステージング フォルダの変更」をご参照ください。