ArcGIS GeoEvent Processor の拡張
ArcGIS GeoEvent Processor for Server は、GeoEvent Processor Manager および ArcGIS GeoEvent Processor ソフトウェア開発キットを使用して拡張できます。
GeoEvent Processor に付属するアダプタとトランスポートを使用して新しいコネクタを作成するだけではニーズを満たせない場合は、カスタム アダプタおよびトランスポートを作成できます。これらのカスタム アダプタおよびトランスポートは、GeoEvent Processor に付属するアダプタとトランスポートと同じように、新しい入力コネクタおよび出力コネクタに組み込むことができます。
アダプタとは?
アダプタは、生のストリーミング データの GeoEvent への変換、およびその逆の変換を行うコンポーネントです。使用可能なアダプタのリストを表示するには、GeoEvent Processor Manager で [Site] → [Components] → [Adapters] ページを参照します。インバウンド アダプタおよびアウトバウンド アダプタでリストをフィルタリングできます。インバウンド アダプタは入力コネクタの作成をサポートし、アウトバウンド アダプタは出力コネクタの作成をサポートします。

GeoEvent Processor に付属するアダプタがニーズに合わない場合は、GeoEvent Processor ソフトウェア開発キットを使用してカスタム アダプタを作成できます。アダプタの実装では、アダプタの構成に使用される一連のプロパティが定義されます。カスタム アダプタは、作成後、コンポーネント テンプレートに組み込まれます。その後、コンポーネント テンプレートは特定の目的のために構成されます。
トランスポートとは?
トランスポートは、通信チャネルを通じて生のデータ ストリームを送受信します。トランスポートは、データ ストリームを GeoEvent Processor に取り込んだり、GeoEvent Processor から送出したりします。管理者は、GeoEvent Processor Manager で [Site] → [Components] → [Transports] ページを参照して、使用可能なトランスポートを表示できます。インバウンド トランスポートおよびアウトバウンド トランスポートでリストをフィルタリングできます。インバウンド トランスポートは入力コネクタの作成をサポートし、アウトバウンド トランスポートは出力コネクタの作成をサポートします。

GeoEvent Processor に付属するトランスポートがニーズに合わない場合は、GeoEvent Processor ソフトウェア開発キットを使用してカスタム トランスポートを開発できます。トランスポートの実装では、トランスポートの構成に使用される一連のプロパティが定義されます。カスタム トランスポートは、作成後、入力コネクタまたは出力コネクタに組み込むことができます。
GeoEvent Processor Manager を使用した拡張
GeoEvent Processor には、新しい入力コネクタおよび出力コネクタの作成を可能にする多数のコネクタが用意されています。管理者は、GeoEvent Processor Manager で [Site] → [GeoEvent Processor] → [Connectors] ページを参照して、使用可能なコネクタを表示できます。
これらのコネクタは、アダプタに依存してさまざまなデータ形式を解釈し、トランスポートに依存してさまざまな通信チャネル経由でデータを送受信します。一般的なデータ形式(テキスト、RSS、Esri フィーチャ JSON、汎用 JSON)用のアダプタが用意されています。一般的なデータ通信チャネル(システム ファイル、HTTP、TCP、UDP、WebSocket、Esri フィーチャ サービス)用のトランスポートも用意されています。
GeoEvent Processor Manager を使用して、新しいコネクタ(アダプタおよびトランスポート)を作成したり、既存のコネクタ(アダプタおよびトランスポート)を変更したりします。既存のコネクタを変更する場合は、GeoEvent Processor ソフトウェア開発キットを使用する必要はありません。ストリーミング データの形式が既存のアダプタによって変換可能であり、一般的なデータ通信チャネル経由で送信(または受信)できる場合は、以下の手順に従って、既存のコネクタを変更したり既存のテンプレートに基づいて新しいコネクタを作成したりして、ニーズを満たすことができます。
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ArcGIS GeoEvent Processor ギャラリーでは、多様なサードパーティ製デバイスやサブスクリプション データ ストリームに向けた追加のコネクタが提供されています。これらの追加コネクタには、多くの場合、GeoEvent Processor ソフトウェア開発キットを使用して開発されたカスタムのアダプタおよびトランスポートが含まれます。
コネクタの作成または既存のコネクタの変更
- GeoEvent Processor Manager を開きます。
- [Site] → [GeoEvent Processor] → [Connectors] の順に移動します。
- [Create Connector] をクリックします(または、既存のコネクタの右側にある [Edit] ボタンをクリックします)。
- [Name]、[Label]、および [Description] テキスト ボックスに情報を入力します。
- [Input] または [Output] を選択し、コネクタが入力コネクタと出力コネクタのどちらの作成に使用されるかを指定します。
- [Adapter] でアダプタを選択します。
- トランスポートを選択します。
- デフォルト名を指定します。
- 適切な表示プロパティを選択します。
-
[Advanced Properties] リストに適切なプロパティを追加します。
これらのプロパティは、[Advanced] セクションに表示されます。
-
[Hidden Properties] に適切なプロパティを追加します。
これらのプロパティは非表示になります。
- プロパティを選択し、[Edit] ボタンをクリックして、プロパティの適切なデフォルト値を定義します。
- [Create] をクリックして新しいコネクタを作成します。
GeoEvent Processor ソフトウェア開発キットを使用した拡張
既存のコネクタの変更でニーズが満たされない場合は、GeoEvent Processor ソフトウェア開発キットを使用して、カスタムのアダプタおよびトランスポートを作成できます。SDK には ArcGIS GeoEvent Processor 開発ガイドが付属しており、このガイドによって開発者は GeoEvent Processor のさまざまなコンポーネントに関する詳細情報を得ることができます。この開発ガイドには、カスタムのアダプタ、トランスポート、およびプロセッサを構築して、GeoEvent Processor を拡張する方法が記載されています。
カスタム アダプタの作成
サードパーティ製デバイスまたはサブスクリプション サービスからのストリーミング データを既存のアダプタで処理できない場合は、GeoEvent Processor ソフトウェア開発キットを使用してカスタム アダプタを開発する必要があります。
たとえば、特定のタイプの無線機、センサ、または他のデバイスから独自の形式のデータを受信する必要がある場合は、そのデータを解釈して変換し、GeoEvent を作成できるカスタム アダプタを開発する必要があります。
カスタム トランスポートの作成
ストリーミング データが、既存のトランスポートで認識されないデータ通信チャネルを通じて送信される場合は、GeoEvent Processor ソフトウェア開発キットを使用してカスタム トランスポートを開発する必要があります。
たとえば、独自の通信プロトコルを使用する通信チャネルを通じてデータを受信または送信する必要がある場合は、その通信チャネルで要求されるプロトコルをサポートするカスタム トランスポートを開発する必要があります。
カスタム プロセッサの作成
プロセッサは、GeoEvent サービスに含まれているコンポーネントであり、GeoEvent に対する処理を実行します。GeoEvent Processor に付属するプロセッサがニーズに合わない場合は、GeoEvent Processor ソフトウェア開発キットを使用してカスタム プロセッサを作成できます。
GeoEvent Processor には、受信したイベント データに基づいて値を計算したり、ファイルまたはフィーチャ サービスからの情報で受信イベントを機能強化したり、イベント データをさまざまなデータ スキーマに適応させたり、指定された空間的なまたは属性の基準に基づいてインシデントを生成したりできる、多様なプロセッサが含まれています。
使用できるプロセッサの詳細については、「プロセッサ」をご参照ください。
GeoEvent Processor ソフトウェア開発キットへのアクセス
GeoEvent Processor ソフトウェア開発キットは、GeoEvent Processor と一緒にインストールされ、製品インストール ディレクトリの下の sdk フォルダにあります。デフォルトのインストール ディレクトリは、以下のとおりです。
- Windows: %ProgramFiles%\ArcGIS\Server\GeoEventProcessor\sdk
- Linux: ~/arcgis/server/GeoEventProcessor/sdk
GeoEvent Processor ソフトウェア開発キットには、ライブラリ ファイル、サンプル、Javadoc API リファレンス、および開発者ガイドが含まれています。