アジャストについて
GIS データは複数のデータ ソースに分散していることがあります。データ ソース間の不整合により、新しいデータセットを他のデータに統合するための追加作業が必要になることがあります。データによってはベース データに対してジオメトリが歪んだり回転しているものがあります。
編集環境でアジャスト ツールを使用すると、データの位置合わせや統合を対話形式で行うことができます。さまざまなアジャスト方法がサポートされており、編集可能なすべてのデータ ソースを調整することができます。アジャストは、CAD ドローイングなど、別のソースからデータをインポートした場合によく使用されます。実行可能なタスクには、データの座標系変換、幾何学的な歪みの補正、あるレイヤのエッジ沿いのフィーチャと隣接レイヤのフィーチャの整列、レイヤ間での属性のコピーなどがあります。アジャストは編集セッションで実行されるため、スナップなどの既存の編集機能を利用した高度な調整が可能です。
アジャストのコマンドとツールは、[アジャスト] ツールバーという名前のオプションの編集ツールバーに配置されています。
データの調整機能に加えて、[アジャスト] ツールバーには、あるフィーチャから別のフィーチャに属性を割り当てる機能もあります。この [属性割り当て] と呼ばれるツールを使用して、2 つのレイヤ間で共通するフィールドの値を一致させます。
[アジャスト] ツールバーに用意された調整機能と属性割り当て機能を組み合わせて、データの品質を向上させることができます。
アジャスト処理の概要
アジャスト機能はそれぞれ異なる目的に使用されますが、アジャストの設定と実行の手順は基本的に同じです。
- ArcMap を起動します。
- 新しいマップを作成するか、既存のマップを開きます。
- 編集するデータをマップに追加します。
- ArcMap に [エディタ] ツールバーを追加します。
- ArcMap に [アジャスト] ツールバーを追加します。
- 編集セッションを開始します。
- アジャストの入力データを選択します。
- アジャスト方法を選択します。
- 移動リンクを作成します。
- [アジャスト] を実行します。
- 編集セッションを終了して、編集内容を保存します。
マップを保存する必要はありません。次にマップを開くと、データベースに加えられた編集内容が自動的に反映されます。
アジャストのヘルプで使用されている参考文献
Maling, D.H.著『Coordinate Systems and Map Projections』(George Philip、1973)
Maling, D.H.著「Coordinate Systems and Map Projections for GIS」(出典: Maguire, D.J.、M.F. Goodchild、D.W. Rhind 共編『Geographical Information Systems: Principles and Applications』Vol. 1、pp. 135 – 146、Longman Group UK Ltd.、1991)
Moffitt, F.H.、E.M. Mikhail 共著『Photogrammetry』(Third Edition、Harper & Row, Inc.、1980)
Pettofrezzo, A.J.著『Matrices and Transformations』(Dover Publications, Inc.、1966)
Slama, C.C.、C. Theurer、S.W. Henriksen 共編『Manual of Photogrammetry』(Fourth Edition、Chapter XIV、pp. 729 – 731、ASPRS、1980)