MGRS
MGRS(Military Grid Reference System)は、UTM(ユニバーサル横メルカトル)および UPS(Universal Polar Stereographic)グリッド システム上の位置を表現するために使用される格子線に基づく方法で、英数字の文字列で表現されます。MGRS 座標では、地球表面の領域が、特定の点に対応するものとして定義されます。MGRS 文字列は最大 15 文字で、グリッド ゾーン指定、100,000 メートル格子 ID、東距/北距で構成されます。
MGRS 座標文字列で定義される場所は、特定の地点ではなく範囲を表すことに注意してください。ただし、MGRS 座標が表示される際は、その座標が表す領域の左下隅として表示されます。
グリッド ゾーン指定
最初のコンポーネントは、GZD(グリッド ゾーン指定)と呼ばれ、MGRS 文字列の最初の 3 文字で構成されます。GZD の最初の 2 文字は、その場所が含まれる縦方向の UTM ゾーンを表し、3 番目の文字は場所が含まれる緯度帯を表します。通常、UTM ゾーンは 6 度の幅で、西経 180 度から東回りに 01 ~ 60 の番号が付けられます。緯度帯には C から X の 20 の区分があり(数字の 1 および 0 と間違わないように、I と O は除外されています)、通常は南緯 80 度から北に向けて 8 度の高さになります。UTM ゾーンと緯度帯の例外など、MGRS の詳細については、「DMA Technical Manual 8358.1: Datums, Ellipsoids, Grids and Grid Reference Systems」をご参照ください。
北緯 84 度より北、および南緯 80 度より南の領域では、グリッド ゾーン指定に UTM グリッド ゾーン番号が含まれません。ただし、緯度帯の識別子は含まれます。極地域で有効な緯度帯の識別子は、南極では A および B、北極では Y および Z です。
100,000 メートル格子 ID
MGRS 文字列の 2 番目のコンポーネント(4 文字目と 5 文字目)は、その場所が含まれる GZD 内の 100,000 メートル格子を表すアルファベットの識別子です。1 文字目は経線方向の格子を示し、2 文字目は緯線方向の格子を表します。
状況によっては、一般的な方法として MGRS 座標文字列の最初の 2 つのコンポーネントを指定しません。たとえば、MGRS 座標をやり取りするすべてのユーザが同じグリッド ゾーン指定または 100,000 メートル格子内で活動している場合、参加しているすべてのユーザは全員が同じ領域内で活動していることを認識しているため、これらのコンポーネントを指定する必要はありません。ユーザがこれらのコンポーネントを指定しなかった場合に、ArcGIS がこれらの値をどこから取得するかを指定する方法については、「MGRS ロケータの設定の変更」をご参照ください。
東距および北距
3 番目のコンポーネントは、100,000 メートル格子内での東距および北距の数値を表します。これらの値は、格子の左下隅を原点として計測されます。
東距および北距の値は、常に桁数を同じにしてください。たとえば、東距を 3 桁で指定した場合は、北距も 3 桁で指定する必要があります。
MGRS の精度
MGRS 座標では、地球表面の領域が、特定の点に対応するものとして表されます。MGRS 座標で定義される領域の精度は、座標文字列に指定したコンポーネントに依存します。コンポーネントを続けて指定することで、より精度の高い領域を定義できます。
11SMT |
場所を 100,000 メートルの格子まで定義します。 |
11SMT11 |
場所を 10,000 メートルの格子まで定義します。 |
11SMT1212 |
場所を 1,000 メートルの格子まで定義します。 |
11SMT123123 |
場所を 100 メートルの格子まで定義します。 |
11SMT12341234 |
場所を 10 メートルの格子まで定義します。 |
11SMT1234512345 |
場所を 1 メートルの格子まで定義します。 |