LAS データセット サーフェスの表示に関する ArcMap と ArcScene の相違点
これで、データセットがサーフェスとしてレンダリングされたので、さらに他の表示設定をカスタマイズできます。ただし、LAS データセットをサーフェスとして表示する場合に重要となる表示プロパティは、ArcScene と ArcMap とで異なります。
- サーフェスの解像度の表示制限
- サーフェス シンボルの選択
- 対象エリアを最大解像度で表示
サーフェスの解像度の表示制限
ArcScene はメモリベースのアプリケーションです。そのため、表示できるサーフェスの複雑さに上限があります。この上限がコンピュータ間で(ハードウェア、オペレーティング システムおよびその他の同様な要因に応じて)著しく異なる場合、コンピュータの動作状況に基づいてデフォルト設定を無効にしてもかまいません。
ArcScene および ArcMap の両方でデフォルトのサーフェスの解像度は 800,000 ポイントに制限されていますが、これはかなり控え目な数です。ほとんどのコンピュータでそのような解像度のサーフェスを扱えなければなりませんが、この設定はコンピュータによっては扱えないほど大きい可能性もあります。注目すべき点は、各 LAS データセット レイヤに対して個別にサーフェスのポイント解像度が定義されることが挙げられます。したがって多数の LAS データセットを表示する場合は必ず余裕を持たせるようにしてください。つまり、5 つの LAS データセット レイヤをサーフェスとして表示し、それぞれの解像度が 80 万ポイントの場合、現在のビュー内のサーフェスに使用されるポイント数は合計 400 万です。
また、また、拡大/縮小のたびにポイントを再読み込みする ArcMap とは異なり、ArcScene はレイヤを最初に読み込むときに、適用可能なポイントのみを読み込みます(または、重要なレイヤ プロパティが変更されたときに、再読み込みします)。つまり、ポイントの数が設定限界値を下回る場合を除いて、ArcScene 内のサーフェス ビューは静的な詳細レベルにあるので、必ずしもすべてのポイントが含まれるとは限りません。
ポイント数の上限を処理能力の高いコンピュータ用に増やす場合、または処理能力の低いコンピュータ用に減らす場合は、次の手順に従います。
- コンテンツ ウィンドウで LAS データセット レイヤを右クリックし、[プロパティ] をクリックします。
- [表示] タブをクリックします。
- 必要に応じて [ポイント制限] プロパティを変更します。
- [OK] をクリックします。
表示されるサーフェスの複雑さを制限するうえで有効な手法としては、それ以外にも、LAS データセットのフィルタ設定があります。そのフィルタ設定では、ポイントを分類コードまたはリターン番号に基づいて表示対象から除外できます。たとえば、LAS データセットに格納されているポイント数が 1,000 万に及ぶ場合でも、露出した地面として分類されるポイント数は 200 万~ 300 万に限られる可能性があります。
サーフェス シンボルの選択
すべての標準 TIN レンダラ(たとえば、標高、傾斜角、傾斜方向)は、サーフェスとしてレンダリングした場合、LAS データセット レイヤに利用できます。ただし、各レンダラのパフォーマンス コストはそれぞれ異なることは注目に値します。
経験的に、シンボルが単純なほど表示にかかるコスト/時間は減ります。たとえば、[フェイスを同一シンボルで描画] オプションを使えば、[フェイスを標高でグラデーション描画] レンダラを使うよりパフォーマンス コストが減ります。LAS データセットを ArcScene 内でサーフェスとして表示するときに、パフォーマンス不足を経験している場合は、シンボル オプションを調整すると効果的なことがあります。たとえば、特定のドキュメント用にインタラクティブなパフォーマンスを得るには、場合に応じて、フェイス レンダラおよびコンター レンダラの両方に対して LAS データセットのレンダリングを中断することをお勧めします。
ArcMap での LAS データセット レイヤ用サーフェス レンダラの選択の詳細
ArcScene での LAS データセット レイヤ用サーフェス レンダラの選択の詳細
LAS データセット レイヤに複数のレンダラを組み合わせて定義することは技術的には可能ですが、そのようにすると、ポイント レンダラおよびサーフェス レンダラの両方が同じレイヤ内で使用されることになるので、一般的には推奨されません。レンダラを組み合わせると、パフォーマンスが低下するとともに、レンダラごとに他のプロパティ(フィルタなど)を設定することができません。各レンダリング ニーズに合わせて個々のレイヤを作成することをお勧めします。
対象エリアを最大解像度で表示
処理対象の LAS データセットに格納されているポイント数が、サーフェスに一度に取り込めるポイント数を上回る場合、(コンテキストに合わせて)ランダムにサンプリングされたポイントのサブセットを表示するか、または(データの検証および調査用に)最大解像度で LIDAR サーフェスを表示する ArcScene 内の対象エリアを定義できます。ArcMap では(コンテキストに合わせて)ランダムにサンプリングされたポイントのサブセットを表示するか、マップ縮尺を使用して、(データの検証および調査用に)最大解像度で LIDAR サーフェスを表示できます。
ArcScene 内の LAS データセット レイヤの対象エリアを定義するとしたら、現在表示されているサーフェスが破棄され、ディスクから取得された更新済みポイント セットから新規のサーフェスを作成する必要があるので、操作に法外なコスト/時間がかかることがあります。
ArcScene の LAS データセットの対象エリアの定義の詳細
ArcScene で LAS データセットの最大解像度の場所をすばやく設定するには、F キーを押しながら、ビュー内でダブルクリックします。その後、R を押しながらダブルクリックすれば、表示をランダムなサブセットにリセットできます。
ArcMap で、現在の表示縮尺に基づいて、サーフェスポイントが間引きされます。ArcMap では表示全体にわたってズームまたは移動するたびに、データが再読み込みされます。縮尺を変更するか表示を画面移動するたびに、現在の範囲内にある表示に必要なデータのみがアクセスされ、トライアングルに構造化され、画面に表示されます。潜在的なポイントの表示対象範囲および数に基づいて、LAS ポイントがランダムに間引き処理されます。
LAS データセットのスケーラビリティの詳細