フィーチャに使用するレイヤの識別
SIDC から手動で軍事関連フィーチャを作成する場合は、フィーチャをどのレイヤに追加するかを決定する必要があります。このトピックでは、フィーチャの SIDC(シンボル ID コード)に基づいて、フィーチャの追加先となるレイヤを決定する方法について説明します。
シンボルのタイプに適合するタイプ(ポイント、ライン、ポリゴン)であればどのようなレイヤでも使用できますが、ArcGIS.com で入手できる Esri 軍事関連フィーチャ レイヤ パッケージにある既存のレイヤを使用することをお勧めします。これらのパッケージには、シンボルを ArcGIS でサポートされる軍事関連シンボル仕様に準拠させるためのルールが含まれています。たとえば、パッケージには、事前定義されたラベル プロパティが含まれており、これにより、フィーチャのどの位置に各タイプのラベル(テキスト修飾子)を配置するか、デフォルトで表示する必要のあるラベルはどれかといった情報が ArcGIS に伝えられます。
シンボルが属するレイヤを判断する際に最もよく使用する SIDC の桁は、次のとおりです。
- コーディング方式
- 標準アイデンティティ
- 戦闘ディメンション/カテゴリ
次の図は、SIDC の 1 ~ 15 までの桁がフィーチャに関連する情報をどのように指定するかを示したものです。
以下の手順と表を使用して、フィーチャに適合するレイヤを選択します。レイヤ タイプが重要である理由を説明した一般情報は、「マップ、レイヤ、およびフィーチャクラス間の関係」をご参照ください。
手順 1 - コーディング方式に基づいてレイヤ名の一部分を特定する
コーディング方式の値(第 1 桁の値)から、Esri 軍事関連フィーチャ レイヤ パッケージで使用されるレイヤ名の一部分がわかります。たとえば、SIDC の最初の文字が S である場合、下記の表から、正しいレイヤ名には「部隊(unit)」、「装備(equipment)」、「施設(installation)」のいずれかの用語が含まれることが判断できます。スタイル ファイル名列はレイヤ名の判断には使用されませんが、プログラミングの際には有用です。
Position 1 value | 軍事関連シンボル仕様のカテゴリ | Esri 軍事関連フィーチャ レイヤ パッケージで使用されるレイヤ名の部分 | ArcGIS レイヤ タイプ(ジオメトリ タイプ) | スタイル ファイル名 |
---|---|---|---|---|
S | 戦闘(Warfighting) | 部隊(Units)、装備(equipment)、または施設(installations) 注意: 第 1 桁に S があり、第 3 桁に G があるフィーチャの場合、第 5 桁の値を使用してレイヤ名の他の部分を判断します。第 5 桁の値が U、E、I であることに基づいてそれぞれが、部隊、装備、施設であることがわかります。 | ポイント | C2 UEI Air Track.style C2 UEI Ground Track Equipment.style C2 UEI Ground Track Installations.style C2 UEI Ground Track Units.style C2 UEI Sea Surface Track.style C2 UEI Space Track.style C2 UEI Special Operations Track.style C2 UEI Subsurface Track.style |
G | 戦術グラフィックス(Tactical graphics) | 活動(Operations) | ポイント、ライン、エリア | Military Operations.style |
W | METOC/気象(Meteorological and Oceanographic Symbology) | METOC 注意: レイヤ名の他の部分を判断するには、以下の手順 4 をご参照ください。 | ポイント、ライン、エリア | Military METOC.style |
I | インテリジェンス(信号情報) | SIGINT 注意: 第 2 桁のみに基づいて SIGINT フィーチャのレイヤを特定できます。 | ポイント | Signals Intelligence.style |
O | 安定化活動(SO)(Stability operations (SO)) | 安定化活動(Stability operations) | ポイント、ライン、エリア | Stability Operations.style |
E | 危機管理シンボル(EMS)(Emergency management symbols (EMS)) | EMS | ポイント | Military Emergency Management.style |
手順 2 - 標準アイデンティティに基づいてレイヤ名の一部分を特定する
戦闘フィーチャ、戦術グラフィックス、SIGINT フィーチャの場合、標準アイデンティティ値(第 2 桁の値)から、Esri 軍事関連フィーチャ レイヤ パッケージで使用されるレイヤ名の所属部分がわかります。たとえば、SIDC の 2 番目の文字が F である場合、下記の表から、正しいレイヤ名には「友軍(Friendly)」という用語が含まれる(友好的提携である)ことが判断できます。手順 1 での最初の文字 S を使用し Esri 軍事関連フィーチャ レイヤ パッケージのレイヤのリストを確認(開いていない場合、「軍事関連フィーチャ レイヤ パッケージを開く」でレイヤ リストを参照)すると、フィーチャが以下のレイヤのいずれかに属していることがわかります。
- Friendly Units
- Friendly Equipment
- Friendly Installations
Position 2 value | 標準アイデンティティ/軍事関連シンボル仕様の演習増幅記述子 | Esri 軍事関連フィーチャ レイヤ パッケージで使用されるレイヤ名の部分 |
---|---|---|
U | 不明(Unknown) | 不明(Unknown) |
F | 友軍(Friendly) | 友軍(Friendly) |
H | 敵軍(Hostile) | 敵軍(Hostile) |
N | 中立(Neutral) | 中立(Neutral) |
P | 保留(Pending) | 不明(Unknown) |
A | 想定友軍(Assumed Friend) | 友軍(Friendly) |
S | 推測(Suspect) | 敵軍(Hostile) |
G | 演習保留(Exercise Pending) | 不明(Unknown) |
W | 演習未知(Exercise Unknown) | 不明(Unknown) |
M | 演習想定友軍(Exercise Assumed Friend) | 友軍(Friendly) |
L | 演習中立(Exercise Neutral) | 中立(Neutral) |
J * | ジョーカー(Joker) | |
K * | フェイカー(Faker) |
*サポートされない
手順 3 - 戦闘ディメンションまたはカテゴリに基づいてレイヤ名を特定する
第 3 桁目の値から、Esri 軍事関連フィーチャ レイヤ パッケージで使用されるレイヤ名の部分がわかります。戦闘フィーチャの場合、第 3 桁の値は戦闘ディメンションを表します。安定化活動および EMS フィーチャの場合、第 3 桁はカテゴリを表します。
戦闘フィーチャ
手順 1 で説明したように、戦闘フィーチャには第 1 桁の値として S があります。ほとんどの戦闘フィーチャは、該当する標準アイデンティティの装備レイヤに属します。第 3 桁の F で示される特殊作戦部隊(SOF)は、部隊タイプのレイヤに属します。第 3 桁の値が地上戦闘ディメンションの G である場合、SIDC の第 5 桁から、Esri 軍事関連フィーチャ レイヤ パッケージで使用されるレイヤ名の部分がわかります。
たとえば、次のような SIDC を持つフィーチャがあります。
- 第 1 桁が S、第 2 桁が H、第 3 桁が A の場合、敵軍装備レイヤに属します。
- 第 1 桁が S、第 2 桁が F、第 3 桁が F である場合は、友軍部隊レイヤに属します。
- 第 1 桁が S、第 2 桁が F、第 3 桁が G で、
- 第 5 桁が U である場合、友軍部隊レイヤに属します。
- 第 5 桁が E である場合、友軍装備レイヤに属します。
- 第 5 桁が I である場合、友軍施設レイヤに属します。
Position 3 value | 軍事関連シンボル仕様の戦闘ディメンション | Esri 軍事関連フィーチャ レイヤ パッケージで使用されるレイヤ名の部分 |
---|---|---|
P | 宇宙(Space) | 装備(Equipment) |
A | 航空(Air) | 装備(Equipment) |
G | 地上(Ground) | 部隊(Unit)、装備(equipment)、または施設(installations) |
S | 海上(Sea Surface) | 装備(Equipment) |
U | 海中(Sea subsurface) | 装備(Equipment) |
F | SOF | 部隊(Unit) |
X | その他 | |
Z | 不明(Unknown) |
Position 5 value | Esri 軍事関連フィーチャ レイヤ パッケージで使用されるレイヤ名の部分 |
---|---|
U | 部隊(Units) |
E | 装備(Equipment) |
I | 施設(Installations) |
安定化活動フィーチャ
手順 1 で説明したように、安定化活動フィーチャには第 1 桁の値として O があります。カテゴリ値(第 3 桁の値)から、Esri 軍事関連フィーチャ レイヤ パッケージで使用されるレイヤ名がわかります。
Position 3 value | 軍事関連シンボル仕様のカテゴリ | Esri 軍事関連フィーチャ レイヤ パッケージで使用されるレイヤ名 |
---|---|---|
V | 暴力活動(Violent activities) | 安定化インシデント(Stability Incidents) |
L | ロケーション(Locations) | 安定化ロケーション(Stability Locations) |
O | 活動(Operations) | 安定化活動(Stability operations) |
I | アイテム(Items) | 安定化ロケーション(Stability Locations) |
P | 個人(Individual) | 安定化組織(Stability Organizations) |
G | 非軍事団体または組織(Non-military group or organization) | 安定化組織(Stability Organizations) |
R | 強姦(Rape) | 安定化インシデント(Stability Incidents) |
EMS フィーチャ
手順 1 で説明したように、EMS フィーチャには第 1 桁の値として E があります。カテゴリ値(第 3 桁の値)から、ほとんどの EMS タイプのフィーチャに対して Esri 軍事関連フィーチャ レイヤ パッケージで使用されるレイヤ名がわかります。第 3 桁の O で表される活動カテゴリの例外を以下の表に示します。
Position 3 value | 軍事関連シンボル仕様のカテゴリ | Esri 軍事関連フィーチャ レイヤ パッケージで使用されるレイヤ名 |
---|---|---|
I | インシデント(Incident) | EMS インシデント(EMS Incidents) |
N | 自然事象(Natural events) | EMS 自然現象(EMS natural events) |
O | 活動(Operations) | SIDC の第 11 桁に H がある場合、レイヤは EMS 施設です。 SIDC の役割 ID 部分の最後に使用された桁が B である場合、レイヤ名の部分は EMS 装備です。 第 3 桁が O である他のすべての EMS フィーチャの場合、レイヤは EMS 部隊です。 |
F | インフラストラクチャ(Infrastructure) | EMS 施設(EMS Installations) |
手順 4 - コーディング方式の値が W である場合のレイヤ名の他の部分を特定する
コーディング方式の値が W である場合(METOC 用)に、以下の表の説明に従って、SIDC の第 11 桁から 13 桁の値を使用してレイヤの追加部分を決定します。
Positions 11-13 of the feature's SIDC | Esri 軍事関連フィーチャ レイヤ パッケージで使用されるレイヤ名の部分 |
---|---|
P - - | ポイント(Point) |
- L - | ライン(Line) |
- - A | エリア(Area) |