ArcGIS 10.2.1 for Server の新機能
ArcGIS 10.2.1 for Server では、製品全体にわたって安定性の強化と機能改善が図られています。10.2.1 で修正された問題の一覧については、10.2.1 で修正された問題の一覧をご参照ください。ソフトウェアの機能変更の概要については、以下のセクションをご参照ください。
ArcGIS Server Manager の機能改善
ArcGIS Server Manager では、ArcGIS Server サイトの管理に役立つさまざまな機能改善が図られています。
- サイトに多数のサービスが含まれている場合に、サービスのギャラリー リストを見て回るのではなく、ArcGIS Server Manager でサービスを検索できるようになりました。検索機能は管理者と公開者が使用可能であり、サービス名、サービス タイプ、サービスの状態、有効なケーパビリティ、またはサービスのタグ、概要、説明の一部を構成しているキーワードを入力して、すばやくサービスを表示したり、サービスにアクセスしたりすることができます。詳細については、「ArcGIS Server Manager でのサービスの検索」をご参照ください。
- マップ サービスでは、サービスのプロパティにコンピュータの名前とオリジナル MXD へのパスが表示されるようになりました。オリジナル GIS リソースが配置されている場所を認識しておくと、そのリソースを変更する場合や既存サービスを上書きする場合に役立ちます。詳細については、「サービスの編集について」をご参照ください。
- キャッシュ タイル スキーマを含むサービス定義ファイル(*.sd)が作成されている場合に、サービスが公開された時点で自動的にキャッシュ ジョブを起動できるようになりました。公開時に自動的にキャッシュ ジョブを起動しないようにする場合は、ArcGIS for Desktop を使用してキャッシュを構築する必要があります。ArcGIS Server Manager でキャッシュ ジョブを起動することはできません。詳細については、「ArcGIS Server Manager でのサービス定義のサーバへの公開」をご参照ください。
ArcGIS Web Adaptor の機能強化
ArcGIS Web Adaptor に加えられたいくつかの改善点を次に示します。
更新された ArcGIS Web Adaptor 構成ページ
ArcGIS Server Manager の構成ページと同様に、新しいユーザ インタフェースを盛り込むように Web Adaptor の構成ページが更新されました。また、ArcGIS Web Adaptor の構成ページに構成の現在の状態、バージョン番号、および ArcGIS Web Adaptor プラットフォーム タイプが表示されるようになりました。この情報にアクセスする方法については、「ArcGIS Web Adaptor のインストール後の構成」をご参照ください。
同じコンピュータ上に複数のバージョンの ArcGIS Web Adaptor (IIS) をインストール可能
ArcGIS 10.2.1 for Server 以降、バージョン 10.2.1 の ArcGIS Web Adaptor (IIS)を、旧バージョンのもう 1 つの ArcGIS Web Adaptor と共に同じコンピュータ上にインストールできるようになりました。たとえば、同じ Web サーバ上にバージョン 10.1 SP1 とバージョン 10.2.1 の ArcGIS Web Adaptor をインストールできます。
これまでのリリースでは、ArcGIS Web Adaptor のバージョンと登録済み ArcGIS Server サイトのバージョンが必ず一致しなければなりませんでした。たとえば、ArcGIS 10.2 for Server でバージョン 10.2.1 の ArcGIS Web Adaptor を構成することはできません。
詳細については、「ArcGIS Web Adaptor (IIS)のインストール」をご参照ください。
ArcGIS Web Adaptor (IIS) での Microsoft .NET 4.0 および 4.5 のサポート
ArcGIS Web Adaptor (IIS)で Microsoft .NET バージョン 4.0 および 4.5 がサポートされるようになりました。引き続き Microsoft .NET 3.5 SP1 もサポートされますが、4.0 および 4.5 では、性能、スケーラビリティ、およびセキュリティに関するさまざまな改良を活用できます。詳細については、「ArcGIS Web Adaptor のシステム要件」をご参照ください。
Microsoft .NET 信頼レベル High または Medium で ArcGIS Web Adaptor (IIS) を使用可能
ArcGIS Web Adaptor (IIS)アプリケーションを .NET 信頼レベルが必要な IIS Web サイトで使用して、High または Medium アクセス レベルで実行できるようになりました。これは、Web サイトで実行されるアプリケーションに部分信頼しか付与されないセキュリティ制約の厳しい組織で一般的に使用されます。詳細については、「IIS での .NET 信頼レベルの構成」をご参照ください。
サービス
WMS サービスでの複数ディメンションのサポート
ArcGIS Server WMS サービスで多次元データのサポートが強化されました。10.2.1 より前のバージョンでは、TIME ディメンションしかサポートされていませんでした。1 つのデータセットのすべてのディメンション(標高や深度など)が WMS サービスの GetCapabilities レスポンスに示されるようになりました。指定のディメンション値で 1 つのマップや 1 つのマップ内の特定のレイヤをリクエストすることができます。WMS で TIME 以外のディメンションを利用する場合は、Web ブラウザを使用するか、独自のカスタム OGC クライアント アプリケーションを作成する必要があります。現時点で TIME 以外のディメンションは ArcGIS クライアント アプリケーションでサポートされていません。
詳細については、「Web ブラウザでの WMS サービスとの通信」をご参照ください。
フィーチャ サービスでオフライン マップを使用できる
10.2.1 では、フィーチャ サービスで同期機能を有効にすることができます。これにより、クライアントはインターネットやネットワークに接続されていない状態でも、フィーチャ サービスからデータをダウンロードして使用できます。クライアントがオンラインに戻った時点で、フィーチャ サービスとの同期を取ることができます。
フィーチャ サービス内のデータは、必ず同期機能を使用するための一定の要件を満たしていなければなりません。詳細については、「オフラインで使用するデータの準備」をご参照ください。
サーバ オブジェクト エクステンション
Microsoft Visual Studio 2012 での ArcObjects .NET SOE サンプルの使用
ArcObjects .NET SDK のすべてのサーバ オブジェクト エクステンション サンプルを Microsoft Visual Studio 2012 で使用することが認定されました。.NET を使用して SOE を開発する方法の詳細は、「サーバ オブジェクト エクステンション」をご参照ください。
.NET SOAP SOE でカスタム .NET クラスがサポートされるようになった
Microsoft .NET Framework を使用して開発された SOAP SOE でカスタム .NET クラスがリクエストおよびレスポンス パラメータとしてサポートされるようになりました。Microsoft Visual Studio テンプレートの改善により、型宣言ファイル(XmlSupport*.dat)を手動で作成したり、ArcGIS Server サイトでコンピュータごとに .NET アセンブリを登録したりする必要がなくなったため、カスタム クラスを使用して SOAP SOE を作成するプロセスが簡素化されました。これまでカスタム クラスを使用して SOAP SOE を作成する場合には、カスタム クラスごとに空のコンストラクタを実装し、SOE でカスタム アノテーションを使用するように変更する必要がありました。この処理の実行方法の詳細は、.NET に関する ArcObjects ヘルプにある「SOAP サーバ オブジェクト エクステンションの開発」をご参照ください。
その他の変更点
Esri サポート サイトの「ArcGIS 製品提供に関する情報」に記載されているように、ArcGIS Spatial Data Server へのフィーチャ サービスの公開と ArcGIS 10.2.1 for Desktop からの Spatial Data Server の管理ができなくなりました。