LIDAR ポイントの分類
すべての LIDAR ポイントには、レーザー パルスを反射したオブジェクトの種類を定義する分類コードを設定することができます。LIDAR ポイントは、地表、植生、水域などのいくつかのカテゴリに分類できます。分類クラスの定義には、LAS ファイルの整数値のコードを使用します。
分類コードは、LAS 形式 1.1、1.2、または 1.3 に対して American Society for Photogrammetry and Remote Sensing(ASPRS)によって定義されています。
LAS 1.1 以上が、定義された分類システムを持ちます。また、LAS 1.0 仕様には事前定義された分類スキーマがなく、ポイントによって使用されるクラス コードがあったとしても、それをまとめたファイルもありません。この情報はデータ プロバイダから入手する必要があります。
分類ビット フィールドのエンコーディング
LIDAR データで分類を実行すると、ポイントが分類の複数のカテゴリに入る可能性があります。分類ビット フィールドを使用して、LIDAR ポイントの追加説明または分類が提供されます。LAS バージョン 1.0 では、LIDAR ポイントに 2 つの分類属性を同時に割り当てることはできませんでした。
たとえば、水域からの LIDAR リターンは最終的な出力データセットから削除する必要があるかもしれませんが、同時に、収集された LIDAR ポイントとして LAS ファイルに残し、管理すべきです。LAS バージョン 1.0 を使用する場合、このポイントに「水域」と「解析を保留」の両方を設定することはできませんでした。
新しいバージョン(LAS 1.1、1.2、1.3)では、元の 8 ビットのエンコード フィールドを分割してこの問題を解決しています。低位の 5 ビットを使用して分類コード 0 ~ 31 を定義し、高位の 3 ビットをフラグのために使用しています。3 つの分類フラグが LAS 標準に追加され、従来の分類に付加された情報でポイントをフラグ付けするようになりました。LIDAR ポイントごとに Synthetic(合成)、Key-point(キーポイント)、Withheld(保留)の各フラグを設定できます。3 つのフラグは、分類コードと同時に設定することが可能です。
たとえば、LAS バージョン 1.1、1.2、および 1.3 では、水域レコードに水域の分類コード(9)と保留フラグを設定することができます。このポイントはデータセットに残りますが、LAS ファイルに対する以後の解析からは除外されます。
次の表は、LAS 分類のビット定義を示しています。
ビット | フィールド名 | Description |
---|---|---|
0–4 | 分類 | 以下に示す ASPRS の標準分類 |
5 | Synthetic(合成) | 写真測量ステレオ モデルからのデジタイズなど、LIDAR 以外で作成されたポイント |
6 | Key-point(キーポイント) | モデルのキーポイントと考えられるポイントで、間引きアルゴリズムでは処理から除外されません |
7 | Withheld(保留) | このポイントは処理に含められません |
分類コード
LAS 1.1、1.2、または 1.3 仕様のデータで作業している場合は、必要なデータ カテゴリについて、American Society for Photogrammetry and Remote Sensing(ASPRS)によって定義された分類スキーマをご参照ください。以下の表に、ASRPS で定義された LAS 分類コードを示します。
分類値(ビット 0-4) | 意味 |
---|---|
0 | 分類不可 |
1 | 未分類 |
2 | 地表 |
3 | 低植生 |
4 | 中植生 |
5 | 高植生 |
6 | 建物 |
7 | ノイズ |
8 | モデル キー |
9 | 水域 |
10 | ASPRS 定義用に予約 |
11 | ASPRS 定義用に予約 |
12 | 重複 |
13–31 | ASPRS 定義用に予約 |
分類コードの変更
[LAS クラス コードの変更(Change LAS Class Codes)] または [フィーチャから LAS クラス コードを設定(Set LAS Class Codes Using Features)] ジオプロセシング ツールを使用することができます。対話的な編集の場合は、LAS データセットの断面図ビューを使用して、LAS データセットに含まれる LAS ファイルの現在の分類を変更することができます。たとえば、LAS ファイルが地表以外のクラス コードを持つ場合は、地表を表す現在のクラス コード 2 に更新することができます。
フラグは、ArcGIS を使用して任意の組み合わせで設定またはクリアできます。
ArcGIS における分類コードの操作の詳細については、「LAS 分類の操作」をご参照ください。